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第八章《力の差》〔01〕

洞窟の中を走る、サイキッカーを連れた一行。

崩壊しかけの洞窟に落ちた落石を飛び越えながら、会話が続く。

「僕ハ、ギルガメシュレイシアスの村を奈緒に見せたくてここを通っていました」

「村って言ったっていい所じゃないじゃん。ただの寒村だよ」

イオの言葉にウェリが冷たく返す。

「あ、でも晴れてたらすっごく綺麗なんだよ!お爺ちゃんとあそこで林檎食べてたー!!」

リテュールが興奮気味に語る。

「おっ、いいなぁ。俺も雪野原とか好きだぞ!!」

それにのる、アイザの声。

「アシェスタとよく雪合戦してたなぁ…」

「ほほーう?愛人かな?アイザ君」

「なっ…」

クロラが彼にちょっかいをかけて、アイザは顔を赤らめる。

その表情を見て、今度はイオが話かけてきた。

「アイザサン、顔ガトテモ赤イデス。モシカシテ、ウイルス等ニ感染シタノデスカ?」

「そんなことあるわけないじゃん。アンタAIなんでしょ?そんなことも分かんないの?」

「ウェリ」

「あ~…でもロボットだからそんなこと知らなくて当然ー…」



「ウェリ!!」



クロラの一喝で、ウェリの口が閉じた。

「……ウェリ、何があったの……AIと」

「やだなぁ。……別に何も無いよ」

そういうウェリの顔は、苦悶の表情をイオに向けていた。





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