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第七章《サイキッカーの涙》〔04〕

「奈緒!!」

「……んぅ?」

洞窟の中で一人の少年に視線を向けるクロラたち。

抱きかかえた男の顔を覗く少年は涙を溢れさせて笑った。

「イオ……僕…確か誰かに呼ばれて…」

「奈緒。コノ人達ガ奈緒ヲ助ケテクレタンダ」

イオを呼ばれた男は無表情な顔を綻ばせて微笑んだ。

奈緒はイオの腕から下ろされると、キリコたちの前に立ち深くお辞儀をする。

「助けてくれて有難う御座いました。それと、お久しぶりです。キリコさん、セブさん」

「おう」

「お久しぶりです。奈緒さん」

同じく返すセブに続いて、リテュールが挨拶をした。

「こんにちはー!!僕リテュール!!君さぁ、プレイヤー?」

「へ……?…あ…いや、僕は…」

問われた奈緒は顔を少し暗く変え、俯く。

「ソレハ答エラレマセン。デスガ、僕ノ大切ナ友達デス」

そこに、イオが奈緒に代わって答えた。

「へぇ~」と関心するリテュールの後ろで、冷たい視線をイオへと向ける人物がいることも知らずに。




「細かく事情を聞いている暇は無いよ?今にもバスタは巨大な爆発物で町を潰すって予告が入ってるらしいし」

「バスタ?」

「そうだ!!あんたらもここにいてたら危ねぇよ!ウェイスに逃げろ!」

アイザがイオと奈緒に言う。

だがイオが返した答えは予想外のものだった。

「ソレハデキナイデス。ギルガメシュレイシアスニ、目的がアルノデス」

「……じゃあ、目的先は一緒ってことか」

キリコは傷だらけになったイオの姿を見て呟いた。

「……イオたちも連れて行ってもいいか?クロラ」

キリコは岩に腰をかける死神の方へ目をやった。

「何で僕に了承を求めんの?いいよ、別に。戦えるのなら」

「よし、とにかく奈緒はもう戻れ。疲れてんだろ?」

「あ……はい。有難う御座います」

キリコに促された奈緒は、画面からログアウトした。





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