第七章《サイキッカーの涙》〔01〕
ギルガメシュレイシアスの手前にある洞窟を進むクロラたち。
「ねーリテュール…ここ本当に近道なの?」
「うん!!前に通ったもん。敵もいなくて安全だったよ?」
「じゃあ…この尋常じゃないほどの魔物の数は何なんだよ」
「……さぁ?」
「さぁ?じゃねぇっ!!!」
背後から迫る魔物を銃でふっ飛ばしながら、アイザがいう。
それに続けて、ウェリが周辺の魔物を吹き飛ばす。
「これじゃっキリないよ!」
「あわわわ……」
「どいてて、皆」
展開陣から取り出した漆黒の鎌はいつもと違い、白の鎌。
クロラはそれを振り回すと、魔物に向かって走り出した。
「クロラ!!」
アイザの叫びを無視して飛び掛り、魔物の体を引き裂く。
血を噴出して倒れる魔物を見ながら、クロラは周りの魔物を睨みつける。
それに恐怖を覚えたのか、魔物たちは洞窟の外へと逃げていった。
「すげー!!」
「ふふ」
リテュールが兎のように、飛び跳ねるのを見て、クロラが笑顔を見せた。
「そういえば、鎌どうしたの?随分と色が違うけど」
ウェリが鎌をしまうクロラに近寄り、顔を覗き込みながら聞いた。
「えへへ…アバターチェンジ?ノイシュタットの宿に入る前に前の鎌とおさらばしたんだ」
「へー」
ウェリはクロラの周りを落ち着き無く回り、スキップをしながら手の杖を振り回す。
それを真似するかのように、リテュールもくるくるとセブを周りを回る。
ピクニック気分でも味わっている雰囲気に、クロラたちはクスリと笑った。
そのとき。
大きな声が、洞窟内に響いて地を揺らす。
『グオォォオオオオォ!!』
「!?」
『ウオォオォオォオオォ!!』
「何何!!?」
揺れはまだ止まらず、奥からは魔物と男の叫び声が聞こえる。
「行ってみよう!!」
クロラの一言で、一行は洞窟の奥へ、落石を避けながら走り出した。




