第六章《死神は高らかに歌う》〔01〕
「でっかいトンカチ!!当たって砕けろ!ミラクルハンマー!!」
「ヴァリアブルトリガー!」
「水の舞姫!!ウォーター!」
ウェリの放った巨大なハンマーが、アイザの二丁ハンドガンが、リテュールの召喚した水の精霊が
敵に襲い掛かる。
「うぉっ!お前ちゃんと狙えよ馬鹿!!」
「るっせぇ!!」
イラつきながら叫ぶアイザは、キリコの注意を無視して撃ち続ける。
「唯でさえ敵が多いってのに、俺の場合背後に回られたら防御ができねぇんだよ!!」
「ちょっと、仲間割れしないでよー!?」
「よー!?」
ウェリとリテュールが、魔法陣を描きながら言った。
「行くよ、リテュール君」
「ヤイヤイサー!!」
「凍てつく炎よ!!」
「焼き尽くせー!!」
「「フリーズ・トーネード!!」」
二人の放った炎と氷の竜巻が、敵を巻き込んでいく。
当たった敵は見事に固まっていた。
それを大剣でセブが切り裂く。
敵はだんだんと数を減らし、ついには残り一人となっていた。
「………不老不、しになるっ、ために……死神の、体を……」
「ウイルス感染してて、うまいこと喋れないのか」
「ヴォァあばばァ!!!」
感染者は、その大きな体を大きく揺らしてクロラへと走り出した。
「未来と過去の空に歌を捧ぐ」
そういうと、クロラは両手を広げて歌を唄い始めた。
巨漢の大きな手に覆われる前に。




