第五章《愚者の足掻き》〔03〕
「クロラっ!開けろよクロラ!!」
部屋のドアを叩くアイザ。横にはウェリとリテュールがドアを開けようとするアイザを見守っていた。
アイザは開かないことが分かると腰のハンドガン二丁を手に取り、ドアに向かって撃つ。
「クロラーーーーーーーーーーーーー!!!開けろっ!!」
「アイザ、怖い……」
若干引き気味な二人をよそに、アイザはこれでもかと弾をかえては撃ち続ける。
ボロボロになったドアを足でけると容易く開いて、アイザたちは中に突入する。
中にいたクロラの姿は無く、蛻の殻となっていた。
辺りを見回すと、窓が半分ほど開いている。
三人は顔を見合わせ、外へと駆け出していった。
町中は混乱していた。
大きな荷車に飛び乗る人も居れば、他人を押しのけ逃げる人も居る。
混雑の中に入り込んだアイザたちは、必死にクロラを探す。
「クロラーーーーーー!!!」
「クロラちゃーん!!」
「クロラちゃんーーーーーー!!」
幾ら叫んでもクロラの声が返事を返してくれることは無く、三人はそのまま人の流れに押されて
町の端に行くこととなった。
「流されちゃったねー」
「ねー」
ウェリの言葉を真似しているのか、リテュールは声を高くしてウェリのあとに続く。
そんな二人をみてアイザは、はぁとため息をついた。
「あのなー…俺らはクロラを見つけなきゃいけねーんだぞ?
のん気なこと言ってる場合か!!」
「あはは、ごめーん」
「ごめーん」
「おい、アイザ!!」
突然背後からアイザの名を呼ぶ声が。
後ろを振り向くと、そこにはウェイスでキラーを捕まえたときに協力したキラーハンターの姿。
「キリコ!!セブ!!」
「今、ノイシュタットにウイルス感染者が向かってるって情報があってな」
「このままだと、お一人で行かれたクロラさんが危険です」
キリコとセブはアイザとウェリ、リテュールの三人を連れて、三人の来た道を戻っていった。




