第五章《愚者の足掻き》〔01〕
「バスタって…もしかして悪魔製造機!!?」
「そう!!キラーメイカーよ!!今入った情報だと、数時間も経たないうちに
そっちにウイルス感染させたプレイヤーの集団とバスタが着てしまう!!」
「…分かった、ボクがここで食い止める」
「ちょっと、クロラ!?」
クロラはアーリアの返事を無視して受話器を切る。
がちゃんっ!!
「……クロラ?」
様子を伺っていたアイザとウェリが、クロラをみる。
クロラは意を決したのか、手に鎌を持ち
「皆、このままノイシュタットの人たちを連れてウェイスに向かって。
そこならアーリアも居るし、安全は約束できる」
「…なんの話なんだよ?」
アイザは表情を曇らせながら立ち上がり、クロラの手を取った。
クロラは顔をただ下にやったまま、「いえない」とだけ繰り返す。
「ごめん、いえない」
「……っ言えよ!!!
なんで…なんで何でも一人で抱え込むんだよ!?」
アイザの叫びが、宿中に響く。
クロラは怒りに震えるアイザを振り払い、外に出ようする。
それを、ウェリが静止した。
「…クロラちゃん、お願い。話して」
「……………分かった、分かったよ」
クロラははぁっと、ため息をつき、事実を話し始めた…ー。




