第三章《少年よ騎士になれ》〔01〕
寒い気候の中を、彼女は肩だしの服で歩く。
寒くないのかと少年が尋ねると、彼女は「むしろ暑い」と嘆いた。
彼女は傭兵のクロラ・アンデリカ・シュリーカー。
クロラは少年の家があるノイシュタットで知らない人はいないほど、有名で。
少年、アイザは今彼女に依頼をしている。
彼の依頼は不思議なもので、魔物を倒すことでもなければ、何かを持ってくることでもない。
ただ「レベル上げを手伝う」、それだけのことだった。
それを聞いたクロラは笑いながら彼の依頼を聞いてくれた。
アイザのレベル上げのためとアーリアという女性の依頼を同時にこなすため、クロラが
むかった先は南の四大町ウェイス。
そこのダンジョンで出会った二人のキラーハンター、キリコとセブ。
彼らのキラーハンターという職業はキラーという殺人鬼を倒し、
善良なプレイヤーを守る正義人。いわば死刑執行人だと聞いた。
彼らの目的はウェイスに隠れていたギルドハンターを討伐すること。
彼らは出会ったとき、魔物に襲われていたところをクロラに助けられて。
クロラの強引な弔問で、キラーの特徴を言わされることに。
クロラの考えで、ウェイスの屋敷に住むアーリアに協力してもらって見事キラーを捕まえることに
成功。
彼らと別れた後、クロラの目指す先はノイシュタットに近い小さな寒村、ギルガメシュレイシアス。
なんのためにむかうのかとアイザがクロラに尋ねると、
「ギルガメシュに、あいつらを送り出したやつが居るんだって」
と言って先に見える町を見つめた。




