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第二章《不老不死を狙う者》〔06〕

「失礼します」

先程の新人二人が、お茶菓子と大きな箱を持って部屋に戻ってきた。

男二人は再び顔を見合わせ、満足そうに笑みを見せる。

「…………どうぞ」

体格のいい男トリスは、悔しそうな声で二人の前にお茶菓子を並べる。

トリスは並べ終わると、部屋の扉前に立ちテーブルに並べられたお茶菓子を物欲しそうに

見ていた。


「そいで、アーリア・マイスさん。これが賞金ですかい?」

「ええ。とても貴重なものです。売れば数億にもなりますよ」

男の持つ宝石の山は、外からの光に反射してとても綺麗だった。

アーリアは機嫌のよさそうな男二人の顔を確認すると、その小さな手でもう一度パチンと鳴らし、


「ドーン。」


アーリアの少しふざけた声とともに、男の持っていた宝石が光を帯びて爆発する。

広い大広間の中だったおかげで屋敷はカンバレイスで潰れた店よりも小さい被害で留まった。

「どっ、どういうことだ!!!何が起きてっ……」

「ギルドキラーー、ですね?」

爆風の中、使用人の制服を着たトリス…キラーハンターのセブが剣を男の首元に当て問うた。

同じくキラーハンターのキリコも、使用人の服を着たままアイザと巨漢の片方を降伏させている。

「っき、貴様…アーリア・マイス!!俺達を売ったのか!!」

「あら、いやですね。私は罠を張っていただけですよ?」

「なっ……!!」

その後、ギルドハンターはウェイスの広場の前に貼り付けにされ、リアルセカンドから降りた。



「なぁ、クロラ」

「何?」

砂漠を進む中、キリコがクロラに話しかける。

「ギルドハンターを捕まえるとき、お前居なかったけど…」

「ああ、そのことか」

クロラはアーリアと同じように指をパチンと鳴らし

「あの時、アーリアがこんな感じで指を鳴らしたでしょ?

あれは、あらかじめボクが仕掛けておいた爆発型宝石ダミーに反応させるために

させたものなんだ。」

クロラはアイザ達の先頭に立ち、後ろ向きで説明を続ける。

「ボクは、その爆弾が発動しなかったときにアーリアと入れ替わった」

「もしかして、私たちが入ってきたときか?」

「うん。思えばアーリア、指鳴らし苦手だったし。あの時に爆発を起こそうと思ってね。

キリコたちがくることも予定に入れて、二人に防御力の高い制服を着せたんだ。

魔法はアーリアの指鳴らしに反応しなかったからね。

アーリアのミラー《反転》で奴らに気づかれないように体を入れ替えた」

「すげー……」

アイザはクロラの自信満々な表情を見てぽそっと呟いた。


「ともかく有難う。あんたらのおかげでキラーを倒せた」

キリコが頭を下げて、礼をする。

「あー、いいよいいよ。報酬金額は減らずに済んだし、楽しかったし。

それに、いい情報も入ったしね…」

「……?」


「それじゃ、私らはこっちだから」

「クロラさん、アイザさん、有難う御座いました」

「うん、それじゃまたねー!」

砂漠の分かれ道で別れたクロラとアイザは、キラーハンターの二人を見送った後、

小さな寒村、「ギルガメシュレイシアス」にむかうことにした。



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