第一章《ハンドガンと君》〔01〕
リアルセカンドの世界に存在する、四大町のひとつ。ノイシュタット。
この町は東西南北に分かれているうちの、北方面の町。
町の中には、雪の玉を投げ合って遊んでいる子供達が。
それを見ながらこの物語の主人公、クロラ・アンデリカ・シュリーカーはため息をつく。
「ここ…待ち合わせ場所なのかなぁ…」
クロラのため息は白い煙となって、空へと消える。
今、彼女が居る場所は雪の町ノイシュタットのとあるカフェ。
カラフルな店の中で、クロラは片手にカフェオレの入ったカップを持ち、外の子供達を見ていた。
真っ黒な服の彼女は、その真っ黒な服とは対照的に真っ白な手でテーブルにカップを置く。
「これ…甘すぎだなぁ」
そういいながら、クロラは残りを飲み干して席を立ち上がる。
空になったカップを、店の従業員に手渡してクロラは外へと出た。
彼女の職業は、傭兵。
依頼人から受けた仕事をこなし、身を転々と映す彼女は今、ノイシュタットである人物に
依頼を頼まれてここに居る。
だが、待ち合わせの時刻になっても、その人物はこなかった。
クロラは契約破棄をするため、契約破棄コマンドの画面を表示した。
「契約はーきっと。」
ポチッ。
「まっ……待って!!」
コマンドのOKボタンが押されたとたん、クロラの前に一人、少年が飛び込んできた。
だがもう遅い。押されたボタンは悲しげな曲が鳴り、その音と共に消えてしまい、少年の前には
《依頼契約破棄》の連絡通知が開かれた。
「あれ、依頼者って君?」
「……そう、ですっ」
少年は息切れながら答える。
クロラは自分の頭をがしがしとかき、少年の方に向き直るとはっきり言った。
「ごめんね?悪いけどボク、契約したからって何でもいうこと聞く訳じゃないんだ。
待ち合わせに間に合わせたら~の話だから。遅れてちゃ意味ないよ?」
クロラはポンポンと、少年の頭を撫でながら
「それじゃ、また今度依頼してね」
といって町を後にした。




