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猫と能力と夢映し  作者: れぇいぐ
『貧乳と変態(狼)と誘惑』
38/75

#7 狼の誘い

「ッチ。しつこいな。」


(避けてばかりじゃだめね...)


地面に着地し、片足を蹴り上げて一気に間合いを詰めた。



「っふ。初めてにしてはやるじゃねーか。」


「よそ見している余裕なんてないよ。」


上からかかと落とししてきたのを避けた。


「脂肪もしつけーな。」


「脂肪言うな!!」


右、左と飛んでくる拳を軽々避けた。


「なぁ、お前らは何を隠してるんだ?」


「英君が良いって言わないと教えないよーだ。

良いっていってもバカ狼には教えないけどね〜。」


「へー。」


「ねぇ、バカ狼こそ何か隠してるんじゃないの?」


「さぁな。」



「う.....」


痺れて体を動かせずにいた。


(まさか全身に電気を流し、放電するとは...)


「ミヤビー、こっちは片付いたからそっちも早く済ませろ!」


「はーい。」


能力の副作用か、体も精神も疲れ切ってしまい、痺れが切れても力を入れることができなかった。


向こうでカイトとミヤビという女性が戦っているのを黙って見ていることしかできなかった。


....


基本的には女性が一方的に攻撃を仕掛け、カイトがそれをよけ続けているだけだった。


最後に女性がカイトを掴み、何かをして逃げて行った。


「っち....あいつら勝手にこんなもん付けやがって。」


カイトは1人で呟きながらこちらに来ては、再び私を抱き上げようとした。


「ちょ、だからすぐそこだからやめ....え?」


持ち上げなかった。


いや、持ち上げられなかったようだ。


「やっぱりこういうことか。」


「どういうこと?それに、何それ。」


さっきまでは無かったはずの首に巻かれた黒いチョーカーだ。


「これが俺の力を制御しているみてーだ。」


「じゃあ、力が無いってこと?」


「いーや、制御されとるから....せいぜい1日に10分までってところか。」


「外せないの?」


「取り方がわかんねえ。」


「みせて。」


チョーカー全体を見たが、それらしい金具はあったが、ただの飾りだった。


「無理ね。」


「まぁええわ。また明日力が戻ったら力づくで外すわ。」


「.....あ。」


「どした?」


「明日学校だ。」


「....」



12月25日


結局寝坊してしまい、3時間目から登校した。


(夢渡君....また寝てる....)


3:35



「カラオケいこーぜ!!カラオケ!!」


いつも夢渡くんと一緒にいるいつもバカなことをしている昇が叫んでいた。


「ああ、いいよ」


「...よし!さっさと帰ってカラオケいこーぜ」


(夢渡くんも行くんだ....行きたいな....)


久しぶりに夢渡くんと一緒に遊べる機会を無駄にはしたくなかった。


(けど、どう話に参加しよう....)


「じゃあ行くか。」


(あ、行っちゃう....)



「...ま.....

待ちなさい夢渡くん。」


「ん?」


「「青野か...」」


「何よ?」

「「別に...」」


(いきなり飽きられちゃった!?

と、とりあえず。。。)


「夢渡くん、今日ずっと寝てたけど気分悪いの?この、バカといるから?」

「バカとはなんだ!!」


(いつも邪魔してくるから。)


「ああ、こいつのせいでちょっと頭が痛かっただけ。」

「俺のせい!?」



「まぁ、寝て大分良くなったから。」


「ふーん」


「って、青野いつの間に帰ってきてるんだ?家の用事でロシアに帰ってたんじゃなかったのか?」


「昨日帰ってきたの。」


「けど、今朝いなかったじゃん」


「ちょっと時差ぼけで寝坊したの。」


(夜遅くに、狼男と変な2人組と戦った何て言えるわけない...

ってか、何で二人ともそんなに私を....)


「思ったけど、なんで二人ともずーっと私の身体見てるのよ…

まさか!?」


「何を期待してるんだよ?お前の胸がが残念だからだよ。もう高校生になるっていうのにその胸はないと思うぜ。ってゆめと一緒に思ってただけだ。」


(!?)


とっさに胸を隠してしまった。


「お、俺らこれからカラオケ行くけど一緒に行く?」


(....え...やった....夢渡くんから提案してくれた。)


「え?いいの?」


(私の聞き違いかも...)


もう一度尋ねた。


「本当に行っていいの?」


「おう、いいよ」


「じゃあ、4:30に駅前で!!」


嬉しさのあまり勝手に集合場所や時間を決めてしまった。


すぐに家に帰ろうと教室を出た。


(やった...夢渡くんと遊べる!!)


「あ....」


廊下を出てカバンを教室に起き忘れたことに気がつき教室に戻った。



19:00


(今日は楽しかったな....)


「嬉しそうにしてどーした?」


ベンチでのんびりと横たわって、お土産に買ったロシアのTシャツと家にあったスウェットを着たカイトが聞いてきた。


「何でもない。」


「へぇー、好きな人と遊ぶことが出来たとかか?」


「は?まさか跡をつけてきた?」


「ちげぇよ、感にきまってんやろ。」


(うわ、また中途半端な方言。)


「なぁ、今度合わせてくれや。」


「嫌に決まってるでしょ。どーせ何かしでかすでしょ?」


「ああ、勿論ズタズタにたたきのめす。」


「サイテー」



12月26日


夢渡くんは学校に来なかった。


12月27日


終業式


夢渡くんは学校に来た。


遊びに誘ったが用事があると言ってすぐに帰ってしまった。


気になることが出来たまま、冬休みが始まってしまった。



冬休みが終わり、学校が始まった。


夢渡くんの様子がおかしくなりはじめていた。


知らない女性の匂いも消えないし....


とりあえず我慢して様子を見続けることにした。


2月23日


受験が終わり声をかけることにした。


「受験どうだった?」


「別にどうでもいいだろ。」


「何よその態度。」


「別に関係ないだろってだけだろ。」


「...やっぱりあの変態のこと?」


「....」


(やっぱりあいつのせい...)


「いつまでそんなの引きずってるの!?あんたがそんなに弱いやつだと思わなかったわ!いつまでもあんな変態頼って、何も変わってない....」


「ああ、そうだよ!あいつがいないとダメなんだよ!」


夢渡くんはそう言って1週間、学校に顔を出すことは無かった。


あれから声をかけることができなかった。


3月1日12:30


「おい」


(このまま卒業しちゃうのかな....

いやだ...)


「おーい。」


「え?」


カイトが私の顔の前で手を振っていた。


「何だよ、ぼーっとして。」


「何でもない。」


「それよりよ、おめぇに手紙や。」


「私に?」



カイトは後ろからA4サイズの大きい封筒を出した。


封筒の右端には「水屯高校」と書かれたロゴがあった。



「パンフレット?それより、何であんたが?」


「細けェことは気にすんな。」



封筒の中にはやはり高校のパンフレットと1枚の紙があった。


その紙には特別優待入学という文字が大きく書かれていた。


「何で....?」


さらには下にはあの人の名前が書かれていた。


(白地...夢渡殿???入学?)


4月2日


入学説明会に夢渡くんの姿があった。


夢渡くんの隣には1人の見知らぬ女性がいた。


(まさかあいつのせいで....?)




それから入学式を経て私の高校生活が始まった。


あのバカ昇も同じ高校にいることを知った。


学校で夢渡くんを見かければ、常に隣に知らない女性かあの昇がいた。


(....おかしい....)



ゴールデンウィーク前日、帰宅しようとした。


夢渡くんは私には気づき、私に声をかけてきたが突き放してしまった。


(どうして今になって....何で。)


学校帰り、学校のそばの公園に引っ越したカイトと一緒にいた。


「なぁ、確かめねえか?」


「....」


「おめえさんの片思いは伝わっているのかをな。」


狼は密かに微笑んで誘ってきた。


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