105.火事場泥棒
大前と総子は顔を見合わせたが、「了解。」と言った。
「実は、『火を点けてやる』って脅迫文が来たの。問題は火事じゃなくて、差し出し人の名前。ヘレンちゃん、画面に出して。」
========= この物語はあくまでもフィクションです =========
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= EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す =
== EITOガーディアンズとは、EITOの後方支援部隊のことである ==
午後1時。EITO大阪支部。会議室。
マルチディスプレイに門田が映っている。
大前とEITOエンジェルズは安心した。
「チーフ、コマンダー。了解って言って。」
大前と総子は顔を見合わせたが、「了解。」と言った。
「実は、『火を点けてやる』って脅迫文が来たの。問題は火事じゃなくて、差し出し人の名前。ヘレンちゃん、画面に出して。」
『火を点けてやる。石川六右衛門の身内。』
「石川五右衛門の名前を捩った、火事場泥棒の集団。昔、東京で大暴れして、皆、ぶち込んで・・・刑に処した筈。」
「門田さん。模倣犯ですか?」と、小町が尋ねた。
「この文面だけではねえ。本当の身内かも知れないし。そいつらの話は30年前の話。場所は特定出来ないけど、金持ちの家。時間は特定出来ないけど、日付は分かってる。12月12日。」
「その日は何故、特定出来るんですか?」と、ぎんが尋ねた。
「その日は、石川五右衛門が釜ゆでの刑になった日。東北では、それに因んで12月12日にお札を貼るわ。『十二月十二日』って書いて。貼る場所は家中の出入り可能な口。窓も入るの。それでね、お札を逆さにして貼るのね。」
「泥棒よ、入って来るなって意味の貼り方ですよね。」と、リンが言った。
「何で?」「ウチの親戚は、皆そうしてました。」
「コマンダー、12月12日って、明日とちゃいます?」と、ジュンが言った。
「あ。そや。しかし、狙われるとこ分からんと・・。」
「吉本知事に相談して、来年予定していた『ジュエリー万博』を繰り上げて貰ったの。さっき、『了解』って言ってくれたわよね。」
「ずっこいおばちゃんやなあ。」と、つい総子は言った。
「お前、ずっこいは言い過ぎやろ。」と、大前は言った。
だが、肩が揺れている。
「で、場所は?」と、小町が尋ねると、「グランドキューバビル。」と答が返って来た。
二美は、総子にウインクした、
そのビルのワンフロアは、芦屋グループがテナントに入っている。
12月12日。午前0時。グランドキューバビル4階。
集団は、警報ベルの配線を切り、宝石を全てバッグに詰め込んだ。
「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。悪を倒せと我らを呼ぶ。参上!EITOエンジェルズ。満を持して。」
二美の声が響き渡り、集団が所持していた拳銃は全て弾き跳ばされ、床に寝そべった。
弥生が長波ホイッスルを鳴らした。
長波ホイッスルとは、犬笛に似たサイレント・ホイッスルである。主に『作戦終了』の合図に使われる。
門田以下、警官隊が6階から降りて来た。
「大阪府警副本部長の門田である。大人しく、お縄に付け!!!!!!!」
警官隊が逮捕連行していき、EITOエンジェルズが引き揚げる前に、総子はスマホを取り出し、電話した。
「ありがとーな、ひかる君。」
「どういたしまして。僕は今でもDDメンバーで、伝子先輩にはお世話になっているんですから。」
京都の大学に進んだ中山ひかるは、大文字伝子の後輩になった。
大文字伝子は、総子の従姉だ。
そして、ひかるの母親は宝石店を営んでいる。
オモチャだと奴らに気づかれるから、安物のジュエリーを手配して貰ったのだ。
午後6時。総子のマンション。
「それじゃ、お先に。」と、知子は帰って行った。
「火事は起こらんで済んだんか?」
「うん。一応、爆竹用意してた。帰りに喫茶店に火ィ点けるつもりやったらしい。六右衛門の身内やなくて、模倣犯。那珂国の、素人の。」
「物騒やな。」
「今日は寝かせへんで。」
「物騒やな。」
南部は、思わず両手を挙げた。
―完―
============== ただ今の出演 ================
南部[江角]総子・・・大文字伝子の従妹。南部興信所所長の妻。EITOエンジェルのチーフ。
南部寅次郎・・・総子の夫。南部興信所所長。
大前英雄管理官・・・EITO大阪支部の管理官。コマンダー。総子からは『兄ちゃん』と呼ばれている。
足立祐子・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
石動悦子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
宇野真知子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
丘今日子・・・EITO大阪支部メンバー。看護担当。元レディース・ホワイトのメンバー。
河合真美・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。走るのが速い。
北美智子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
久留米ぎん ・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトの総長。EITOエンジェルス班長。
小峠稽古 ・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
和光あゆみ・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。
中込みゆき・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。
海老名真子・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。
来栖ジュン・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7の総長。EITOエンジェルス班長。
愛川いずみ・・・EITO大阪支部メンバー。EITOエンジェルスの後方支援担当になった(EITOガーディアンズ)。
本郷弥生・・・EITO大阪支部、後方支援メンバー(EITOガーディアンズ)。
大前[白井]紀子・・・EITO大阪支部メンバー。事務担当。ある事件で総子と再会、EITOに就職した。
神代チエ・・・京都府警の警視。京都府警からのEITO出向。『暴れん坊小町』の異名を持つが、総子には、忠誠を誓った。呼び名は他のメンバーと違い、あだ名の「小町」で通っている。
芦屋一美警部・・・大阪府警テロ対策室勤務の警部。総子からは『ひとみネエ』と呼ばれている。アパートに住んでいる。
用賀[芦屋]二美二曹・・・。三つ子の芦屋三姉妹の次女。陸自からの出向。総子からは『ふたみネエ』と呼ばれている。オスプレイやホバーバイクを運転することもある。後方支援メンバー(EITOガーディアンズ)。総子の上の階に住んでいたが、用賀と結婚して転居した。
芦屋三美・・・芦屋グループ総帥。EITO大株主。芦屋三姉妹の長女で、総子からは『みつみネエ』と呼ばれている。芦屋三姉妹と総子は昔。ご近所さんだった。
門田奈穂美警視・・・大阪府警副本部長。小柳警視正の姉。
指原ヘレン・・・元EITO大阪支部メンバー。愛川いずみに変わって通信担当のEITO隊員になった。
用賀哲夫空自二曹・・・空自のパイロット。EITO大阪支部への出向が決まった。二美の元カレだったが、二美と結婚した。EITOガーディアンズ。
今奈良リン・・・大阪府警巡査。EITO大阪支部に出向になった。
---ゲスト—-
中山ひかる・・・総子の従姉の大文字伝子と関わりが強い。春から、伝子の大学の後輩になった。
京都の大学に進んだ中山ひかるは、大文字伝子の後輩になった。
大文字伝子は、総子の従姉だ。
そして、ひかるの母親は宝石店を営んでいる。
オモチャだと奴らに気づかれるから、安物のジュエリーを手配して貰ったのだ。




