96.便乗犯罪
警察官は1000人体勢で御堂筋他に配備された。だが、道頓堀川の『飛び込み』だけでなく、この時期には『便乗犯罪』も多い。んん。そこでだ・・・。」
========= この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
南部[江角]総子・・・大文字伝子の従妹。南部興信所所長の妻。EITOエンジェルのチーフ。
南部寅次郎・・・総子の夫。南部興信所所長。
大前英雄管理官・・・EITO大阪支部の管理官。コマンダー。総子からは『兄ちゃん』と呼ばれている。
足立祐子・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
石動悦子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
宇野真知子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
丘今日子・・・EITO大阪支部メンバー。看護担当。元レディース・ホワイトのメンバー。
河合真美・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。走るのが速い。
北美智子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
久留米ぎん ・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトの総長。EITOエンジェルス班長。
小峠稽古 ・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。
和光あゆみ・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。
中込みゆき・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。
海老名真子・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。
来栖ジュン・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7の総長。EITOエンジェルス班長。
愛川いずみ・・・EITO大阪支部メンバー。EITOエンジェルスの後方支援担当になった(EITOガーディアンズ)。
本郷弥生・・・EITO大阪支部、後方支援メンバー(EITOガーディアンズ)。
大前[白井]紀子・・・EITO大阪支部メンバー。事務担当。ある事件で総子と再会、EITOに就職した。
神代チエ・・・京都府警の警視。京都府警からのEITO出向。『暴れん坊小町』の異名を持つが、総子には、忠誠を誓った。呼び名は他のメンバーと違い、あだ名の「小町」で通っている。
芦屋一美警部・・・大阪府警テロ対策室勤務の警部。総子からは『ひとみネエ』と呼ばれている。アパートに住んでいる。
用賀[芦屋]二美二曹・・・。三つ子の芦屋三姉妹の次女。陸自からの出向。総子からは『ふたみネエ』と呼ばれている。オスプレイやホバーバイクを運転することもある。後方支援メンバー(EITOガーディアンズ)。総子の上の階に住んでいたが、用賀と結婚して転居した。
芦屋三美・・・芦屋グループ総帥。EITO大株主。芦屋三姉妹の長女で、総子からは『みつみネエ』と呼ばれている。芦屋三姉妹と総子は昔。ご近所さんだった。
小柳圭祐警視正・・・警視庁から転勤。大阪府警テロ対策室室長。
指原ヘレン・・・元EITO大阪支部メンバー。愛川いずみに変わって通信担当のEITO隊員になった。
用賀哲夫空自二曹・・・空自のパイロット。EITO大阪支部への出向が決まった。二美の元カレだったが、二美と結婚した。EITOガーディアンズ。
今奈良リン・・・大阪府警巡査。EITO大阪支部に出向になった。
友田知子・・・南部家家政婦。芦屋グループ社員。
真壁睦月・・・大阪府警テロ対策室勤務の巡査。
佐々一郎・・・大阪府警テロ対策室勤務の巡査部長。
門田警視・・・大阪府警副本部長。小柳警視正の姉。
幸田仙太郎・・・南部興信所所員。
花菱綾人・・・大阪阿倍野区の元刑事。南部興信所所員。
横山鞭撻・・・大阪府警の元刑事。南部興信所所員。
倉持悦司・・・南部興信所所員。
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= EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す =
== EITOガーディアンズとは、EITOの後方支援部隊のことである ==
※ 阪神タイガースは7日夜、広島との試合に2対0で勝って、2年ぶり7回目のセ・リーグ優勝を果たしました。
9月7日の優勝決定は2リーグ制となった1950年以降で最も早い日にちとなりました。
※本エピソードは、現実の状況とは無関係に進行しています。
午後1時。EITO大阪支部。
マルチディスプレイに小柳が映っている。
「知っている人も多いと思うが、阪神タイガースがリーグ優勝した。ファンの人がいたら、『おめでとう』と先ず言っておく。警察官は1000人体勢で御堂筋他に配備された。だが、道頓堀川の『飛び込み』だけでなく、この時期には『便乗犯罪』も多い。んん。そこでだ・・・。」
「府警御用達の、EITO大阪支部に警備、いや、警邏の指示ですか。やはり、体面が大事なんですね、小柳警視正。」小町は敵意むき出しで言った。
「えと・・・何か予告があったんですか?ビリケンさん襲う、とか。」と、大前は気遣って尋ねた。
「いや。今のところはない。」
「兄ちゃん、何でビリケンさんなん?ピンポイント過ぎるやろ。」
「例えば、の話や。阪神本社爆発させるぞ、とか。」
「いや・・・まだ、ない。」
「ほな、神社仏閣の方で心配してるとか。例えば天満宮とか。」
「それも、ない。」
「ああ。じれったい。神代の言う通り、体裁よ。応援警備は兵庫県警だけ。お願い。どこでもいいから、EITO大阪支部が大阪府警に協力している、とアピールしたいの。EITOエンジェルズの名前もコスチューム、じゃない、ユニフォームも知られるようになったから、犯罪者達の抑止力になるの。」
門田は、ディスプレイの向こうで土下座した。
また、一美と真壁がピースサインをしている。
「副本部長に頭下げられたら、引き受けへん訳にいかへんわな、兄ちゃん。どこ守るかは一任してくれますよね。的外れでも恨みっこなーしよで。」
「ありがとう、チーフ。」
マルチディスプレイは消えた。
「ほな。総子の班分けに任せるわ。皆、連絡を密にしてくれ。よう出来た人やな、門田さんは。」
「うん。倉持君も幸せやな。あ、そや。南部興信所所が協力出来るかどうか確認するわ。」
「ああ、そうしてくれ。小町、よう堪えたな。」
「え?何のことです?」と、小町は大前に惚けて応えた。
午後2時。南部興信所所。
所長の南部は「予測通りやな。どうせ今日はまともな仕事は出来ん。総子は、神社仏閣の警備しようと言って来た。体面の為の配備なら、無難やろ。」と言った。
「この間、四天王寺さん、火事になりましたよね。」と幸田が言い、「観光客が火の点いたタバコ、ポイ捨てしたらしい。日本人でもタバコ吸う人間は、『自然発火』に期待しすぎや。酸素あったら、燃えるっちゅうねん。」と、珍しく横ヤンが憤った。
「ほな、手分けして巡回しよか。わしも出るわ。幸田、倉持借りるで。」
午後2時半。大阪天満宮。
祐子と悦子は、参拝客を狙った『引ったくり』を捕まえた。
午後2時半。お初天神(露天神社)。
真知子と今日子は、参拝客を狙った『すり』を捕まえた。
午後3時。大阪城近くの豊国神社。
真美と美智子は、露店の『食い逃げ』泥棒を捕まえた。外国人だった。
午後3時半。今宮戎神社。
ぎんと稽古は、鳥居にペイントをかけようとした外国人を捕まえた。
午後3時半。杭全神社。
鳥居に『ぶら下がり』しようとした外国人を南部と倉持が捕まえた。
午後4時。難波神社。
あゆみとみゆきは、本殿に灯油をかけようとした外国人を捕まえた。
午後4時。安倍晴明神社。
『晴明誕生の地を示す碑』を無理矢理持ち去ろうとした外国人達がいて、花ヤン、横ヤンが捕まえた。
午後4時半。一心寺。
真子とジュンは、『御朱印帳』を破いた外国人を捕まえた。
午後4時半。四天王寺。
幸田は、不審人物を捕まえた。
午後5時。法善寺。
いずみと弥生は『柄杓』を盗もうとした男を捕まえた。
午後5時半。住吉大社。
用賀と二美は、太鼓橋を壊そうとする外国人グループを捕まえた。
午後6時。太融寺。
大前は、『淀の方』の説明を書いた石碑をドリルで剥がし取ろうとした外国人グループを捕まえた。
午後6時。崇禅寺。
木に放火しようとしている男をリンと小町が捕まえた。
午後6時半。EITO大阪支部。司令室。
「道頓堀の警備に行っている佐々巡査部長。真壁巡査、芦屋一美警部、真壁睦月巡査は引き揚げたらしい。皆も引き揚げて。」と、ヘレンから渡されたマイクに向かって総子は言った。
「総子の読みが当たったわね。じゃ、私達も帰ろう。ヘレンも来なさい。」芦屋三美が言うと、ヘレンは元気よく「はい。」と返事をした。
午後7時半。南部家。
夕食にシャンパンが添えられていた。ヘレンの誕生会だった。
「いつも、裏方、ご苦労さん。」
ヘレンは、知子が注いだワインを少し飲んで顔を赤らめた。
「みんな、総帥とチーフのお陰です。」
「まあ、『瓢箪から駒』で良かったわね。門田さんも驚いていたわ。じゃ、乾杯!!」
「乾杯!!」
知子も加わって宴は続いた。
―完―
「いや。今のところはない。」
「兄ちゃん、何でビリケンさんなん?ピンポイント過ぎるやろ。」
「例えば、の話や。阪神本社爆発させるぞ、とか。」
「いや・・・まだ、ない。」
「ほな、神社仏閣の方で心配してるとか。例えば天満宮とか。」
「それも、ない。」