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村人は異変を調査する

 ゲームの物語は、さきの大きな地震によって現れた横穴のなかには遺跡のようなもの発見されたことから始まる。

「村長。このなかから何が飛び出すかわかったもんじゃないぞ。俺と息子は狩人として多少は戦う力があるし、この横穴のなかがどうなっているのか一応にでも、確かめておいたほうがいいんじゃないか」

 そう言葉を口にしたのは主人公の父親で本人はその後ろに佇んでいた。

「う、うむ。そうじゃな。わ、儂は領主様に報せを走らせることにする。返事が戻るまでの間すくなくてもニ、三日はかかるであろうから、危険がないか調べてくれ。魔物がでるようなら出口をふさぐなりして対策せねばならんからな」

 父親は息子に目配せすると頷いた。

「わかった。急いで調査の支度をする。お前もついて来い」

 そうして主人公は父親とともに山肌に出現した横穴に調査の準備をしてから向かう。ふたたび横穴の前に着いた頃には、穴の様子を心配そうに窺う村人で一杯になっていた。父子は、村人をかき分けて進み出て薄暗い横穴に歩みを進めた。外からの光が届くぎりぎりの位置まで進んだ二人は、さらに薄暗くなっていく横穴の闇の先に向かって石を投げた。「カンッ カンッ カンッカンカラン」と石が転がる音だけが横穴に響く。そうしてから二人は狩人としての経験を活かして耳をすませて生き物の気配を探った。

「静かだな……。いまのところ生き物の気配は感じられないな。たいまつに火を」

 火を与えられたたいまつは燃え上がって煌々とした明かりで周囲を照らしだした。

「俺から離れるなよ。けれど、何か危険があれば、お前が外の連中に報せに走るんだ。わかったな」

 父親は息子が頷く姿を認めると、細心の注意を払いながら内部への潜入を開始するのであった。そうしてから、しばらく。なにかに気付いた主人公が口を開いた。

「父さん。壁を見て。土や苔が媚びれ付いているけど、岩肌が剥がれて綺麗な壁みたいなものが見えてるよ」

「む。」と口した父親は、壁にたいまつの火を近づけて凝視した。それから手のひらでむき出しになった壁の手触りを確かめた。

「お前の言った通りだ……。これは明らかにひとの手が入ったものだろう。しかし、こんなにも精妙に削り出すことができるのか」

 壁を指先でなぞると読むことのできない紋様が精密に刻まれていた。父親は、いまださきの見えない暗がりに顔を向けると言った。

「ただの洞穴、というわけではなさそうだな。奥まで慎重に進むぞ」

 こうして続けられた父子の探索の結果、村で懸念されていた魔物の姿などは確認されなかった。というのも、横穴は、その全長こそあったのものの一本道であり、最奥にある扉らしきものであることはわかったもののなにかで固定されたように、まったく動かせる気配がなかったからであった。

 この探索でわかったことは、なんらかの遺跡であろうということと、その最奥には開かない扉があること。この二つであった。

 村長は、その報告を耳にして村に差し迫るような危険はすくないと判断して、ひとまず横穴の周辺に集まっていた村人を解散させた。また横穴のさきあった遺跡のようなものに関しても、領主の返答を待つことでへたな判断をしないことにしたのだ。

 しかし翌早朝のこと。

 村に貴人を乗せているであろう豪奢な馬車が到着する。その馬車の御者を務める男は言った。

「我が主が、この村の村長に話があると仰っている。ただちに連れて参れ」

 馬車の装いからなかの人物が貴人あることが窺い知れたこともあり、いつもより早出をして農作業をしていた村民は大慌てで村長の住む家にむかい扉を叩くのであった。


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