〈1話ごと完結〉 第1話『巨大な巻貝の魔法陣?』
沖縄って面白くて大好きです。何が面白いかは人それぞれですが疲れた心に気軽に話しかけて下さる地元の人々の温かさは貴重です。癒されます。
私は海が好きです。でも泳げません。街中でも皮膚が弱いので直射日光は厳禁です。皮膚がやられます。長袖必須です。秋から冬の季節が好きです。この季節は気温が丁度良く湿度も低いので最適だと思います。
こんな季節にするお散歩が最高だと思っています。
ゴッキーや藪蚊もいなくなりますからね!
(記、叔母の鹿子)
お話の前に自己紹介
私の名前は真奈 大学二年生です。
那覇市内のアパートに一人で住んでいます。
ファーストフードのアルバイトをしていたのですが最近、自動車教習所に通い始めました。叔母に若い内に免許を取得しておけとうるさく言われて取ることにしました。誰の為かな?
私は潔癖だと言われます。
料理より掃除が好きで他人を部屋に招き入れることはしません。
癒し系で軟弱で人に騙されそうな顔をしていると言われます。
でも自分はしっかり行動をしているつもりでいます。
ケーキやお菓子を作るのは大好きでたまに焼いてラインにあげて送っています。
叔母の鹿子
時々私を訪ねてここ沖縄に来ています。
お散歩が好きでよく出かけています。
散歩と称して出かけますが方向音痴なので本人にその気は無くてもだんだん冒険になってしまうのが常のようです。
東京に住んでいて独身です。
早くに母を亡くした私のために私の母親の様に面倒を見てくれています。
料理が上手で作ってくれるし外食代を払ってくれます。
仲は良いです。
なんで独身か?ってことは知りません。
まあ誰にでも人には言えないことの一つぐらいはあるでしょう。
私も気になります。
# この物語は私、真奈と
叔母の鹿子の二人が交代で語ります。
これから始まる一話から三話までは、叔母のお話です。
よろしくお願い致します。
♢…………………
♢第一話……(語りは叔母の鹿子)
散歩していると
場所によっては、草むらに「ハブ注意!」の立て札が立ててあったり、シリアスに震えそうな風景が突然、出現してドキッとすることがあります。私たち余所者は、この土地の歴史ある方々を敬いながら、きちんと礼を尽くし、その土地を踏み荒らさない様に気をつけるように心がけたいと常々思っています。
『巨大な巻貝の魔法陣』出現?
このお話は、だいぶ前の話になります。
〇〇通りの商店街を歩いていると急に大雨が降ってきました。さっき迄ギンギンのお天気だったのに突然の大雨なんてことが度々あり、初めて体験した時はびっくりしました。とんでもない量の雨がドシャーと降ってくるのです。急いで帰ろうとして、ずぶ濡れになってしまいました。
その頃はアーケードのテントが所々破れていて、そこからドドドー!っと、大量の雨が落ちてくる事もあり、通行出来ず立ち往生。戻ることも出来ず悩みました。(今ではアーケードのテントも綺麗になっているでしょうね。)
こういう時は、ゆっくりお茶でもして待った方が安全で慌てて帰るのは厳禁。待っていればまもなく雨は止むはずなのです。
姪が那覇に住んでいるので、様子見がてら彼女のアパートを訪ねます。格安の飛行機の運賃でね! 彼女は私がアパートに押しかけることを全く迷惑がらず、それどころか、「手料理に飢えているので早く来てよ!」なんて言ってくるくらいです。私が料理をしてあげて外食代も払うから喜んで迎えてくれるのです。
彼女のアパートの目の前には、立派な公園があり、平地ではなく奥に行くに従って高く登って行く形になっていました。その一番高い所にこんもり盛り土がされていてそこに一本の大木が生えていました。そこは市内を見下ろせる程の高さにあり、眺めが良く風が涼しいので朝食後は時々そこまで散歩に行っていました。
ある日の朝です。
前日から降り出した雨が夜半には嵐になり大量の雨を降らせました。公園に行ってみると雨で湿った地面からはモヤモヤと湯気が立ちあがり霧が立ち込め始めています。遠くから近づくとあの大木が薄っすらと見えていて、さらに近づくと木の根本に異変を感じました。何かが大木の周りを囲んでいました。
さらに近づくと、それはサザエのように大きくて、だけどツルツルの巻き貝でした。それが木の周りを悪魔祓いでもするように円陣を組んで囲んでいるのです。
うぎゃーです。
何で?どうして?
只々不思議でじっと見ていると、その大きな貝が、むくむくと動きます。誰かの企みか? ただのイタズラか? とも思ったのですが、そうではないらしく幹にも根元にもその巻き貝はしがみ付いていて、うごめく様は気持ち悪く、これはただ事では無いと感じると同時にそこから飛び跳ねていました。
昨日の大雨で、地面の中で溺れそうになり窒息しそうになって外へ出てきたのかな? 私は生物学者では無いので、はっきりしたことは言えませんが。
人が置いた物ではない事は分かります。普段何もいないような顔をしている、この土地の地中には、もっと何かが隠されているのかも知れない。 宇宙人がいてもおかしくないかも? 何て変な想像もしてしまうほどミステリアスな出来事でした。
とても日本とは思えない巨大生物は、触るのも怖いので、さっさと立ち去ったのですが、姪は信じてくれませんでした。沖縄にはこんな変わった生き物がいるのだからこれからもっと驚くことに遭遇するかもしれないとワクワクするのでした。
午後には、すっかりお天気になり先程の場所に行ってみても、何事も無かったように巨大カタツムリは消えていました。
………
〘触るな! 危険 アフリカマイマイ〙
雨が降ると出てくる巨大なカタツムリだそうで、広東住血線虫に寄生されているらしく【危険生物】になっている。死亡例もあるそうです。
さわらないでね!
了
これからもっとスリリングで楽しい冒険の旅、冒険の散歩が続きます。
人々のほのぼのしたお話もあります。
沖縄言葉は奈良時代の名残だと聞いた事があります。興味のあることがいっぱいです。そんな話がいっぱいできたらなと思っています。よろしくお願い致します。