試練?魔物?
「つまり、俺にダンジョンの経営を依頼したいと言うわけですか?」
「えぇ、それで合っています。」
あれから、この女神から呼ばれた理由を簡単に聞いてみた。
そしたら、ダンジョンの依頼を聞かされた。
それにしても、ダンジョンは神の試練だったんだな。俺は怨念魔物派だったんだけど、少し残念。
「別に間違っていませんよ。」
「いきなり、思考を読まないで返答しないでください。どれに対する返答か分かりません。」
「ダンジョンは何なのか?についてへの返答ですよ。」
「?間違ってないって、ダンジョンは死者の怨念によって出来上がった魔物という説に対してですか?でも、貴方は俺にダンジョン経営を依頼しました。これはダンジョンが神からの試練という説の方が正しいということではないのですか?」
ダンジョンの説明でも確かそんな事を言っていたように思える。
「確かに私はダンジョンを人が生き残る為に必要だから。用意しました。その為、神の試練として定義するのは間違っていません。そして、ダンジョンが怨念によって出来上がった魔物というのもまた間違ってないのです。」
つまり、俺はダンジョンと言う魔物に転生する。もしくは、その魔物に寄生して操る何かになると言う訳か。
ダンジョンは神の試練の施設ではなく、神の試練の魔物であったと言う訳か……気づく訳ないな。
だが、俺は怨念という点では当てはまらない。俺は別に人間に対して怨んだりしていない。
それとも……
「別に貴方に、人に対して怨みを植え付けたり、元々ダンジョンが怨念を持ったものでありませんよ。」
また、この女神は人の思考から返答をする。
「私達は確かにある条件の元、当てはまる死者の魂からダンジョンに転生するものを選んでいます。そして、それは人を怨んでいる者を多く選出されるだけで、貴方のような人を怨んでいない物も選ばれますよ。」
なるほど、確率的に人を怨んだダンジョンが多いだけと言うわけか。
「もう良いですか?さっさと次に移りたいのですが?」
「そういえば、時間には限りがあるでしたか?」
「えぇ、貴方達の魂では私達と居るだけでも負荷がかかり続けています。その為、時間は原則オーバーする事は許されていません。」
「なら、早く進めましょう。」
話しすぎたせいで負荷が掛かりすぎて魂消滅なんて笑えない。
「まぁ、その前に転生させますので、安心して下さい。それにこれからするのは、最初の眷属作成とダンジョン位置を決めるだけです。内装など転生後に秘書と一緒に考えてください。」
秘書?まぁ、これでまた聞いていたら、キリがないから。そのうちわかるか。
「それでは早速、眷属作成にいきましょう♪」
女神はそう言うと、紙とペンを渡してきた。