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6.昼ご飯

 鐘が鳴り、授業は終わった。

 あとは四限目の授業だ。それが終われば、昼休みの時間だ。


 空が僕のそばに来た。


「なぁ、颯太。お前がけんかに強いとは思わなかったよ」


 先輩らとけんかしたのは僕の意志じゃない。

 僕の身体が勝手に……いや、紗夜にコントロールされていたからだ。


 僕は吉田に復讐したい。

 復讐への道、けんかは過程だけだ、結局じゃない。


 そうだ!紗夜に先輩らのことを処理してもらうのを思い出した。


「そんなことないよ」と空に言いながら、僕は次の授業で使うテキストとノートをカバンから取り出した。


「お前は謙遜しすぎる。俺は颯太が霧嶋先輩の腹を蹴ったのがかっこよく思った」

「もう言わないで。あれは僕にとって悪夢だ」


 先輩らとけんかしたことを思い出すと、無意識のうちに震え、気分が悪くなった。


「はいーはい、もう言わないよ。昼休みの時間は一緒に昼ごはんを……」

「お兄様、宜しかったら、昼休みの時間は一緒に昼ごはんを食べましょう」


 紗夜は空と同じことを言った。


 僕は誰に応じればいいのか分からない。躊躇した。


「お兄様、だめですか?」

「―――ウっ!」


 やべえ―――彼女の僕に要求する顔はとても可愛い!

 紗夜の可愛さは僕の心を針で刺したような感じがした。


「悪いな、空。僕は紗夜と一緒に昼ごはんを食べると決めた。ごめん」


 紗夜を選んだが、心はちょっと空に申し訳ないと思った。


 紗夜が僕と一緒に昼ごはんを食べるのを要求したのは、なにか計画があるのだろう。


「お前、俺が先に誘ったんだぞ!」


 空は僕に腹を立てたようだ。


 まさか空は僕が応じなかったので怒ったのか?


「お前にはこんな可愛い妹がいて羨ましいよ!」


 いっ、妹?

 怒った原因は妹?


 空の怒った原因がちょっと理解できない。


 それから、空は涙を流した。

 空は泣いた原因も分かんねぇ。


 クラスの男子生徒たち全員が僕を見て、ゾンビのように「ギルティーッ、ギルティーッ」って絶え間なく言った。


 今いったい何が起こっているのか?

 起こっている原因は、僕も知らない。


「お前ら、落ち着いてくれ」


 大声でみんなに落ち着いてと言ったけど、役に立たなかった。

 むしろ逆効果になった。


 男子生徒たちの殺意に満ちた目付きがますます強くなった。


「なぁ、松岡。お前は可愛い妹がいて本来死刑もんなんだけどな?」

「川上の言うとおりだ、松岡、お前は死ぬべきだ」


 なに言ってるの、川上、大隈?


 他の男子生徒たちが川上と大隈に賛同して、「そう、そう」を繰り返して言った。


「あの、みなさんー。わたくしはお兄様と話してるの。邪魔しないでくれますか?」


 一瞬、男子たちは静かになった。

 だが、空はまだ泣いている。


 僕は空が泣くのを止めたい。しかし、どうすればいい?


「わたくしは泣き虫が嫌いですよ」


 紗夜が言うと、空はすぐに泣きやんだ。元の明るい様子に戻った。


 すげえ、紗夜。


「分かった。颯太は紗夜ちゃんと一緒に昼ごはんを食べてもかまわないよ」

「うっ、うん。じゃあ、空は?」

「俺は磯たちと一緒に食べるさ」

「本当にごめん、空」

「いいよ、大丈夫」


 空は磯の席のそばへ行った。


 でも、まだ分かっていない。なぜみんなの怒った原因は妹?


 紗夜は学校に来て一日目だというのに、面倒が起こった。

 ―――ったく。


 思わずため息をついた。


「あのー、お兄様には心配事があるみたいですね?」


 さすが紗夜、僕の心を見抜く。


「そうだな、先輩らのことが心配だ」

「お兄様、ご安心ください。霧嶋先輩たちのことはわたくしがもう処理済みですから」


 早い!


「霧嶋先輩たちを放置し続けるならば、お兄様にとって脅威となる可能性がありますから、わたくしは彼たちの記憶をちょっと改変しました」


 記憶改変、この能力はまったくチートと思った。


「そして、お兄様、今日の昼ごはんも精一杯作りましたわよ」

「僕はワクワクする」


 今日の昼ごはんはどんな料理かな?

 楽しみだ。



 ◇◆◇◆◇



 もう昼休みの時間だ。


 紗夜は僕に「先に屋上に行ってください」と言ったけど、彼女は何をするつもりだろう?


 しかし、ここに立っていると、昨日吉田さんに振られたことを思い出した。


 僕っていったいどこが吉田には釣り合わないのか?

 とても不快だ。


「くそっ!」


 こぶしを握り締め、激しくフェンスの金網を殴った。

 悔し涙が出た。


 絶対に復讐する、絶対に。


 いきなり、屋上のドアが開いた。


 誰だ?


 涙を手で拭き、ドアの方を振り向いた。


「なんだ、紗夜か」


 紗夜はドアを開けた。


 やっと昼ごはんをとることができる。僕は腹が減って気が立っていた。


「はい。でも、お兄様、わたくしだけではありませんよ」


 紗夜だけじゃない?どういう意味?


 不思議に思っていると、梅本が紗夜の後ろから出てきた。


「こっ、こんにちは、松岡様」


 なるほど、梅本だ。


「こんにちは、梅本」


 なんだ、紗夜は梅本に会いに行ったのか。


「そっ、その、宜しければ、松岡様、私を愛乃と呼んでください」

「うん、分かった。じゃあ、愛乃」

「はい!」

「君も僕を颯太と呼んでいいよ」

「かっ、かしこまりました、颯太様」


 笑顏は可愛い。愛乃の可愛さに惹かれた。


 紗夜は愛乃が僕のハーレムの成員の一人だと言った。が、僕はどうやって愛乃を攻略すればいいのかな?


 恋愛ゲームの主人公みたいな感じ。全力を尽くして美少女たちを攻略する。


 愛乃は突然僕にお辞儀をした。


「本当に申し訳ありません」

「えっ?なぜ突然僕に謝るの?」

「私のせいで、颯太様は霧嶋先輩たちとまたけんかをされました」


 愛乃を安心させようと彼女の頭を撫でると、彼女は顔を上げて僕を見た。


「大丈夫よ。いじめられた人を助けるのは当然のことじゃない?」


 愛乃の顔は赤くなった。


「はい」

「それに君は綺麗だ。綺麗な女の子がいじめられるのを見て、見殺しにしてはいけない」

「私って、綺麗ですか?」

「そうだよ」


 僕はそう言うと、愛乃はさらに顔を赤く染め、両手で火照った頬を覆った。


「僕はお腹がペコペコだ。早く昼ごはんを食べよう」

「はい」

「そっ、そうですね。私もお腹が空きました」


 僕たちは昼ごはんを食べ始めた。

 そして任務も始めた。

 ―――梅本 愛乃を攻略する。

「とても面白い!」

「読み続けたい!」

「更新を期待です!」


とか思いましたら

是非下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。

面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、素直に感じた気持ちでまるで構いませんか!

よろしくお願いいたします。




                  白皇 コスノ 拝啓

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― 新着の感想 ―
[良い点] 読みやすくて面白かったです! ローファンでハーレムって結構斬新ですね! [気になる点] 特にないです! [一言] これからも楽しみにしてますので頑張ってください!
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