5.決定
藤原が聞いてきた問題は吉田を戸惑わせた。
恋愛と学業、どちらを選ぶべきか分からない。
両者の兼ね合いは多分むずかしいだろう。
松岡への思いは吉田にとって初恋だ。
初恋に対して、吉田はどう直面するべきかわからない。
藤原は吉田の様子を見て、ため息をついた。
「松岡さんの両親はアメリカでとても名高い企業集団の会長だよ。だから、松岡さんの氏素姓はなんら問題ないわ。それに彼はかっこいいし、成績もとてもいいよね。もし松岡さんに告白されたら、絶対に受け入れるわ、私ならね」
藤原が言った。
確かに、松岡の両親はある名高い企業集団の会長だ。
松岡の両親は、「ウインウイン」を目的とした事業を展開していて、たくさんの関連企業を率いている。
お互いに助け合いながら欠点を補い合って、世界の物流で頭角を現した。
そのために、多くの利益を上げ、世界規模の企業グループとなった。
松岡は一人っ子なので、将来家業を継ぐことになる。
ちなみに、松岡はアメリカで生まれたのでアメリカ国籍も持っている。
松岡は日本とアメリカの2つの国籍を持っている。
「まあ、理沙がどうするか決めたとしても、私はその意思を尊重するわ」
いろいろ考えて、吉田はついに決断した。
やはり学業と恋愛のバランスは取れなかった。学業は恋愛に勝った。
「あたしのルールは依然として変わらない。まず大学に受かることが一番大切だわ」
「うん、うん」
「もし松岡さんが本当に他の女性を好きになったとしても、あたしは松岡さんの妾でいいわ」
「うん、うん……えっ?えっー!?」
吉田の答えを聞いて藤原は驚いて大声をだした。
藤原は吉田が喜んで松岡さんの妾になろうとは思わなかった。
今は一夫多妻制の社会だから、妾を囲うのは合法だ。
昨夜可決された一夫多妻制の法案は、もうすべての人の心に深く受け入れられたようだ。
さっき藤原は大声で叫んだので、クラス全員が藤原を見た。
空気はまた気まずくなった。
「すいません……」
藤原は恥ずかしそうに言った。
「どうして理沙は妾となりたいのよ?」
「あんた、さっきあたしが何を決定しても尊重すると言ったじゃない?」
「私はそう言ったけど……わっ、わかったわよ」
吉田は藤原がそう言うのを聞いて安心した。ペンを取ってノートを書き続けた。
そして一人の男子が慌ててクラスに入ってきて一人の男子の席のそばに来た。
「知ってる?あの1組の松岡が霧嶋先輩とけんかしたんだって」
「霧嶋先輩って、あの三年生の不良の?」
「そう」
「それは大変じゃないか?松岡が霧嶋先輩を怒らせた原因は知らないけど、助からないって感じだな」
「多分、半殺しにされるだろうな。松岡は学年順位1位の優等生だよな」
彼たちの会話を聞いた吉田は表情が悪くなり、またペンを置いた。
吉田の気分は心配したり緊張したりしている。
霧嶋先輩は風紀委員会でさえコントロールできないやつだ。
吉田も霧嶋先輩は救いようのないごろつきだということは知っている。
自分の初恋相手が殴られたというニュースは突然すぎて、吉田はどうしたらいいかわからない。
藤原は吉田の落ち着かない様子に気づいた。
「もしかして理沙は松岡さんを心配しているの?」
「うん……」
「じゃ、1組に行って様子を見てみようよ。松岡さんを応援しよう」
「……そうだね、応援しないと」
吉田はとても心配だったので、藤原の申し出に素直に応じた。
それから、吉田と藤原は教室を出て、1組へ行った。
4組と1組の教室は同じ階だったので、すぐに1組に着いた。
しかし、1組の教室は野次馬見物に来た生徒でいっぱいだ。
人垣のために今の状況がどのようになっているかがよく見えなかった。
そこで、彼女たちは人だかりに押し入った。
彼女たちは人だかりから抜け出したところで、松岡の担任が松岡を教室から連れ出して行くのを見た。
ちらっと見た感じでは松岡に目立った外傷はない。
ただ服がちょっと乱れていただけ。
そして松岡の気持ちは落ち込んでいるように見えた。
窓から1組の教室の中を見ると、霧嶋先輩と日高が床に倒れており、大橋はとても慌てているように見えた。
さっきの殴り合いでは松岡が勝ったようだ。
その結果は思いがけなかったが、吉田は安心した。
「よかった」
松岡の無事を確認して、吉田はとてもうれしかった。
◇◆◇◆◇
今僕は職員室にいて、さっき起こったすべてのことを担任に説明した。
僕の担任は花守 白咲。
だから僕とクラスメートは彼女を白と呼ぶ。これは僕たちの彼女に対するニックネーム。
「あなたの自己防衛だと思うけど、けんかはよくないことよ」
「はい」
やはり叱られた。
僕は1時間ほど職員室にいた。
授業はもう1コマ過ぎた。
今は三限目の授業時間だ。
「もういいわ。あなた、先にクラスに戻って」
「はい」
やっとクラスに戻ることができる。
担任に頭を下げ、職員室を離れた。
僕は紗夜の計画に沿って、いろいろなことに遭遇し、とてもしんどい。
僕の人生はいったいどうなるのだろう?
ドアを開けて、静かに教室に入り自分の席を座った。
でもな、これが僕の人生だ。リハーサルじゃない。
僕の人生は唯一無二。
気持ちが少し楽になった。
僕は絶対吉田さんに復讐する。
そして、霧嶋先輩らのことを思い出した。解決しなければ、彼らに会うたびにけんかをするかもしれない。
じゃあ、紗夜に先輩らのことを処理してもらおう。
僕はけんかに人生を無駄にされたくない。
うん、そう決めた。
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白皇 コスノ 拝啓