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4.断られた理由

 どうしよう?

 彼らは復讐するためにやってきたに違いない。


 僕は入り口にいる霧嶋先輩らと目が合った。

 すぐに顔を背けた。


 霧嶋先輩らは教室に入ってきた。

 クラスメートたちは彼らを見て全員橫へ避けた。


 僕は冷や汗をかき始めた。

 彼らは僕のところにやってきた。


「貴様!」


 霧嶋先輩は僕のネクタイをつかんで、狂暴な目つきで僕を睨んだ。


「大胆だな、俺らを殴ったとは」

「すまない、それは僕の身体が勝手に動いて、先輩たちを殴ってしまったんだ」

「てめえ、馬鹿なことを言うな!」


 先輩は大声で叫んだ。


 クラスメートたちはざわつきはじめた。

 他のクラスの生徒たちも野次馬見物にきた。


「許せんな。俺は絶対お前に倍返しさせてやる」


 言い終わると、僕にこぶしで殴りかかってきた。

 だが、僕の左手は勝手に動き、先輩のこぶしを受け止めた。


 先輩は僕が攻撃を受け止めたのを見て、びっくりした。


「なに!?」


 先輩は手を引き戻そうとしたが、僕の左手は先輩のこぶしをしっかりとつかんで放さなかった。


 僕は右手でこぶしを握り、先輩の顔を殴った。

 そして左足で無意識に先輩の腹を蹴った。


 先輩は床に倒れて苦しそうに悲鳴をあげた。


「兄貴!」

「てめえ!」


 日高は怒り狂って、僕に突進してきた。

 突然、右手が勝手に動って日高のあごにアッパーカットをした。


 日高は宙に舞い、床に倒れて口から白い泡を吐き、気絶した。


 大橋が殴ろうとこぶしを握った瞬間に担任が入ってきた。


「あなたたち、なにしているの?」


 担任は大声で言った。

 大橋は動きを止めた。


 担任は急いで霧嶋先輩のそばに行った。


「あなた、大丈夫?」

「先生……」


 先輩は苦しそうに言った。


「あなた、まず早く彼たちを保健室に連れて行って」


 担任は真顔で大橋に言った。


「はい」

「そして、松岡さん、私と一緒に職員室に来て何があったのかを教えなさい」


 担任の目を見て、まずいと感じた。


「はい……」


 担任と職員室に行った。


 担任に叱られるのは避けられないようだな。

 思わずため息をついた。



 ◇◆◇◆◇



 二年4組で、吉田 理沙はさっきの授業で教えられた內容をノートに書いている。

 この時一人の女子が吉田の前に座った。


「相変わらず真面目だね、理沙は」

「再來週は中間テストだからね」

「再来週までまだ時間あるじゃん」

「いいえ、あたしにとって時間は白駒の隙を過ぐるが如し、すぐにテストよ」

「奥深すぎる、理沙の言葉は……」


 少女はちょっと苦笑した。


 この少女、名前は藤原 杏実。吉田とはとても仲の良い友達だ。


 青色の短い髪だが、蝶結びの髪飾りをつけている。

 美しく紫色の瞳をしている。

 性格は明るくて活発。吉田に冗談をよく言う。


 実は、吉田がこんなに勉強しているのは、理由がある。

 彼女には超えたい相手がいる。


 そしてトップの国立大学の医学部に受かるのも吉田の望みだ。


 そのために、吉田は、恋愛は自分の学業に影響すると思って、「勉強第一、恋愛禁止!」というのが吉田の規則になった。

 だからこそ、吉田は多くの男たちの告白を断った。


「もしかして理沙がこんなに勉強するのは、あの1組の松岡さんを超えたいから?」

「それは理由の一つだわ」


 一年生から入学して今まで、吉田の学年順位はずっと松岡の後だった。

 松岡に勝ったことがない。


 順位は松岡が一位で、吉田が二位だ。


 だからこそ、吉田は今回の中間テストで松岡に勝ちたいと思っている。


「真面目に勉強するのは良いけれど、昨日は泣いていたよね……」

「えっ?」


 藤原の声が小さくなって、吉田はよく聞こえなかった。


「あのね、理沙が昨日松岡さんを振ったって、本当?あなた、松岡さんが好きじゃなかったのかしら?」


 吉田は急にペンを置き、赤面してしまった。


「どうしてあんたが知っているの?」


 吉田は机を強くたたいて立ち上がって、大声で藤原に聞いた。

 クラスの学生たちが全部、吉田を見た。


 瞬間、気まずい空気に包まれた。


「すいません……」


 吉田は恥ずかしくて座った。


「私は耳が早いのよ。何日何時に誰が誰を振ったか、すべて知っているわ」


 藤原はとても誇らしげに言った。


「それに昨日理沙が泣いていたのを見ていたのよ」

「どうしてあんたもそんなことまで知っているの?」

「もしかして松岡さんを振ったから悲しんでいたの?」

「……うん」


 吉田の気分が少し落ち込んだ。


「その時、松岡さんの告白を受け入れたらよかったのに?」

「でも……」

「わかってるよ。理沙はトップの国立大学の医学部に合格したいのよね。だから、恋愛はだめなんでしょ?でも、恋なんかしないと言っているくせに、松岡さんが好きって、おかしいわね」


 藤原は苦笑した。


「……あたしは大学に受かって松岡さんに絶対に謝る。よかったら、松岡さんの彼女になりたい」

「理沙が大学に受かるにしても、それは一年以上後のことだよ。それに松岡さんは他の女性が好きになるかもしれないよ。そうなったら、あなたはどうするの?」

「あたし……」


 藤原が言ったことは急所を突いている。

 吉田はこの問題を考えたことがない。


 確かに、松岡は他の女性を好きになるかもしれない。

 吉田はそのことをあまり考えていなかった。単に松岡を振っただけだ。


 この問題は吉田の心に引っ掛かっている。藤原にどう答えたらいいのかわからない。

「とても面白い!」

「読み続けたい!」

「更新を期待です!」


とか思いましたら

是非下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。

面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、素直に感じた気持ちでまるで構いませんか!

よろしくお願いいたします。




                  白皇 コスノ 拝啓

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― 新着の感想 ―
[良い点] テンポが良くて面白かったです。続き楽しみにしていますね。
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