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13.背中擦り

 なっ、なぜ彼女たちは入ってきたのか?僕はドアを確かにロックしたと覚えている。


 びっくりして体が固まってしまった。

 紗夜と愛乃が入ってくるとは思わなかった。


 なんで……そっ、そうだ、僕は紗夜に特殊な能力があるのを忘れた。


 湯気が浴室内に充満していたけど、紗夜と愛乃二人の体つきがはっきりと見える。

 二人ともほっそりして、肌が白く柔らかそうで、すべすべしているように見えた。紗夜の胸は愛乃ほど豊満じゃないけど、見た目では多分Dカップだろう。

 身体にタオルを巻いているが、おっぱいの露出度が高いため、ちょっと目のやり場に困ってしまう。


 顔を赤らめて目を逸らし、背中を彼女たちに向けた。死にたい、本当に死にたい。死ぬほど恥ずかしい。


 僕の背中を洗うのは紗夜が提案したに違いない。


 紗夜の表情をちらっと見ると彼女は興奮しているようだが、愛乃の顔が真っ赤になって決まりが悪くてもじもじしているように見えた。


「どうしましたか、お兄様?」

「いっ、いいや!」


 ……まずい、断りたいけど彼女たちを断る理由が見つからない。でも、断ったら紗夜は絶対に駄々をこねるにちがいない。


 ジレンマに陥った。


「それではお兄様、わたくしたちに背中をスポンジで擦らせてください」


 って、言い終わると、紗夜は僕の方へ向かって来る。


 待て。紗夜は何をしたいのか?

 やばいと感じた。


 僕は紗夜を阻止しなければならない。


「お兄様、さっさと……」

「待て!」


 振り向いて手を伸ばして紗夜を阻止したが……むにゅっと、思わず僕の手が紗夜の胸に当たった。

 瞬間に、顔から火が出た。


「……えっ?えええええー!?」


 って、大声で叫んですぐに手をひっこめた。


「ごっ、ごめん」

「なんですか、お兄様はおっぱいを触りたいのですか?」

「ちっ、違う!」


 初めて女性の胸に触れた。思わず顔がいっそう赤くなった。

 しかし、胸を触られたのに、紗夜は何事もなかったかのように微笑んだ。


「なら、お兄様がわたくしの()()()()()()()()()()()()、背中を擦らせてください」

「……っ」


 この時、僕は紗夜の罠に引っかかったのが分かった。


 紗夜の笑みは僕に同意するように迫ってくる。

 どうやら、同意するしかないみたいだ。……しょうがない、同意しよう。


「わっ、分かったよ。洗ってくれ、頼む」


 と、不満げに言った。

 ちくしょう、紗夜の罠にはめられたとは。僕は完全なる敗北者だ。


「やりました!」

「でも、タオルを一枚くれ。僕は裸だよ」

「は~い!」


 紗夜は楽しく指をパチンと鳴らすと、一枚のタオルが現れて僕の手に渡された。

 タオルを取って腰に巻きつけ、浴槽から出た。


 腰掛けに座ったが、心臓が激しく鼓動している。なにしろ、女の子たちに背中を洗われるのは初めてだから。


「まず愛乃様、お兄様の背中を洗ってください」

「わっ、私ですか?」

「はい、愛乃様。どうぞ、お先に」

「かっ、かしこまりました!でっ、では、颯太様、失礼します」


 愛乃は石けんを使って、スポンジで僕の背中を洗い始めた。

 紗夜は隣に立って嬉しそうだ、すべてが彼女の望み通りに進んだような気がした。


 緊張しているせいか、愛乃の動作がちょっとぎこちない。

 僕もドキドキして、身体がこわばっている。


 自分を落ち着かせたいが、出来ない。


 今の希望はただ一つ、早く終わらせてここを離れることだ。


「どっ、どう思いますか、颯太様?」

「うっ、うん、気持ちいいよ」

「そっ、颯太様が気持ちよくなられて、よかったです」


 愛乃のはにかむ笑顔を見て、グッと胸がときめいた。


「そっ、そして、私も颯太様に感謝しています。颯太様、紗夜様と一緒に暮らせることに、心より感謝いたします」

「いっ、いいや。感謝する必要はないよ」

「かっ、家事も私に任せてください」

「うん、任せる」


 動悸(どうき)が収まった。

 僕はやはり愛乃を好きになってしまったようだ。


 ハーレム計画には好ましくないが、今は愛乃との付き合い方をよく考えるべきだ。愛乃は僕の彼女だから。


 それに、愛乃が背中を洗うのはますます上手くなり、楽しい雰囲気に満ちていた。


 それから、約五分後。


「そろそろわたくしの番です、愛乃様」

「はっ、はい」


 愛乃は動きを止めて立ち、二人は位置を換えて紗夜は僕の後ろに来た。

 心臓の鼓動が再び速くなった。


「お兄様、行きますよ」


 背中を洗い始めたが、紗夜の力は愛乃より強い。


「どうですか、お兄様?」

「とても良いよ」


 話を聞いて紗夜は大喜びした。


 また五分過ぎた。髪も洗って紗夜に泡を流してもらい、さっぱりした。

 もう一度ゆっくりと浴槽に浸かってからお風呂を出た。


 浴室には紗夜と愛乃だけがいる。


 自分の髮を乾かしてタオルで身体を拭き、部屋着を着た。

 浴室から紗夜と愛乃の愉快な笑い声がした。彼女たち二人は仲がいいんだ。


 その後、いつものように台所に行ってミルクを一杯入れて飲んだ。

 やはりお風呂上がりのミルクは最高だ。


 今日から愛乃は僕の家に住むのだから、彼女のために部屋を準備しなきゃ。

 僕の寝室の隣の部屋が空いているはずだな。


 まずその部屋を綺麗に片付けに行く。そして、紗夜にあのブラックホールを発動して、愛乃の荷物を取り出してもらう。


 そう決めると、二階に上がって部屋を片付ける。

「とても面白い!」

「読み続けたい!」

「更新を期待です!」


とか思いましたら

是非下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。

面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、素直に感じた気持ちでまるで構いませんか!

よろしくお願いいたします。




                  白皇 コスノ 拝啓

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