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桃色美少女の意志、英雄の目覚め

本話から本格的な戦闘とタイトル回収となっていきます。


情景描写ができないと説明など全てセリフに入るので、中々リズム感ある戦闘シーンは難しいです。

会話のテンポは早くなるので書きやすいのですが。

一長一短です。

「うぐっ!! がはぁッ!! ハァハァハァ……!!」


「ニヤリ」


「な、なんてことだ……。"ドークショ・カンソーブーン"が放った技"カダイトショ其ノ一蜘蛛の糸(くものいと)"によって線状まで細められたその聖なる一撃は、確実にオーブに向かって走っていきーーそしてそのオーブを貫き浄化して全てが終わる()()()()()のに……」


「ふっふっふ」 ニマニマ


「なのにっーー何故まだ立っている!! ゲヘナちゃん!!」


「そうはならなかった、それだけでシュコ。 何ででシュコねぇ……?」


「ぐぅっ!! ハァハァハァ……」


「カツジ!! いったいどうしたっていうんだ!? 何でカツジが苦しんでいるんだッ!! ゲヘナちゃん!! カツジに何をしたんだ!!」


「ふっふっふ……。その質問に答える義理はないシュコ。ほら、ニマケーズ家長女のカッジェさん、もう終わりシュコか? それならばあなたの指に嵌めてある指輪を破壊させてくださいでシュコ。その指輪が無くなれば、聖なる槍は出せなくなり、そしてあなたは二度と元の世界に帰ることはできなるシュコね」

「な、なんだって!? やめろ!! やめるんだゲヘナちゃん!!」


「黙っていなさい!! アリーナには私の応援以外求めてないでシュコ!!」


「……下がっていろ、ヨシタロウ。私なら……まだ、やれる」 フラフラ


「カツジ!!」


「だらしがないでシュコねぇ……。単にオーブで集めたマンガー・フォースを放っただけでシュコよ? まぁ、儀式によって今やものすごい量のマンガー・フォースが集まっていたでシュコけどね!! あははははっ!!」

「くっ……。このライブは客の表現力を低下させる目的を果たすためだけではなく、興奮状態になった客から溢れ出すマンガー・フォースを手に入れる儀式の役割もあったということか……っ!!」


「その通りでシュコ。通常マンガー・オーブが放つフォースの出力ならば、その糸のように細い技でも弾かれずに済むと考えたんでシュコね? そして糸のように範囲が狭ければこの私の身体に影響を与えないだろうと。お優しいことでシュコ。その優しさが命取りになるとも知らずに」


「光の糸がマンガー・オーブの手前で弾かれて、それと同時にカツジが倒れたのはそういうことだったのか!! カツジ!! お前ってやつは!!」


「うるさいぞ、ヨシタロウ!! そしてゲヘナよ。私は優しさにこだわるほど甘くはない。次の一撃はお前をも巻き込むものだと知れ」

「ふふふ……。できるシュコかね?」


「なんーーうっ!?」


「どうしたカツジ!? また膝をついて、それに苦しそうだぞ!?」

「ふふふ、周りの声によく耳を傾けるシュコね!!」

「何……?」


「エダケデヨイエダケデヨイエダケデヨイエダケデヨイ」

「ギオンイノチギオンイノチポロンポヨンパフパフクパァズズーッ!!」

「トートイトートイカミサクガカミサクガヤブキガミィッ!! ア゛ァーッ!!」


「ぐわぁーッ!!」

「カツジ!! くっそ!! これは呪文か何かか!!」


「その通りシュコ。このオーブの力は"呪い"に特化しているシュコ。儀式場を整えて相手にこのオーブの波動を当てる!! それで下準備は終わりシュコ。後はこのファンたちに文字による表現への怨嗟と絵や作画などの愛を呪文として吐き出してもらうのみ!! 波動を当てられたものはその者の活字への愛の大きさだけ、この呪文が続く限り苦しむことになるシュコ!!」


「なんてこった!! ちくしょう止めなければ!! お前ら口を閉じろーッ!!」 バキィッ!! ボコォッ!!


「ロリエガオマモルソレガシメイロリエガオマモルソレガシメイ」


「くっ!? 何だコイツらビクともしない!?」


「ファンを殴ったり蹴ったりしたところで無駄シュコよ!! こいつらは私の操り人形シュコ。私の命令が無い限り延々と呪文を垂れ流すシュコ!!」


「くそぉっ!! ならばそのオーブを叩き落としてやるッ!!」


「や、やめるんだ!! ヨシタロウ!! そんなことしたらお前まで!!」


「カツジを放って置けるかよ!! うぉぉぉおおお!!」 ブンッ


ヒラリ 「無駄シュコ!! 私はこれでも合気道を小学生の頃から中学2年生の時まで続けていたシュコ!!」


「くそっ!! パンチやキックの軌道をずらされる!!」 ブンッブンッ


ヒラリ ヒラリ 「そろそろお遊びは終わりシュコ!! 喰らえっ!! マンガー・フォース"呪いの波動"!!」 ビュオッ


「うわぁぁぁあああ!!」 ドテッ

「ヨシタロウ!!」


「ナマアシナマワキナマウナジナマアシナマワキナマウナジナマアシナマワキナマウナジ」

「ナツコミフユコミカベサーゼンセイハァァァアアアッ!!」

「エロゲエロゲギャルゲエロゲシューティングエロゲエロゲエロゲギャルゲエロゲィ!!」


「「ぐわぁーッ!!」」


「ふっふっふっ……、いい悲鳴でシュコ。その指輪を破壊した後は2人とも私の1ファンとして大事にこき使ってやるでシュコ」


「ぐぅっ!! ヨシタロウ……!! 私が時間を稼ぐ!! お前だけでも逃げるんだ!!」

「な、何を言ってるんだ!! そんなことしたらお前はどうなるっ!?」

「私には構うな!! 元々お前は私に巻き込まれただけだ!! こんなところで犠牲になって良いハズがない!!」

「バカヤロウッ!! カツジがいなきゃ世界は救えないんだろ!? だったらカツジが逃げるべきだ!!」

「ふっ、問題ない。私が元の世界に帰らなければ必ず仲間が助けに来る!! だからお前だけでもーー」 パリンッ


「「えっ?」」


「ぐちゃぐちゃ五月蠅いシュコよ? 誰が別れの挨拶なんて許したシュコか? あと2人とも逃がす気なんてサラサラないシュコ。だからーーこのように、もう指輪を壊しちゃったシュコよ?」 ポイッ カラカラカラン


「なっ……いつの間に私の指からそれをっ!!」


「私のマンガー・フォースも糸のように細くして繊細な操作ができるシュコ。会話に夢中になっているお前の指からそれを奪うなんてお茶の子さいさいシュコね」

「くっ! 不意を打つとは卑怯なッ!!」

「元より戦いの最中シュコ。そんなことを言われる筋合いなどないシュコね。さぁ、大人しくーーって、立ち上がって何をする気シュコか?」


「私は……貴族!! ニマケーズ家長女・カッジェ・ニマケーズ!! 私の命を懸けてでも、この少年の命は守って見せる!!」


「カツジ……お前……!!」


「ぷっぷー、でシュコ。聖槍(セイントランス)の無いお前に何が守れるシュコか? 私はそういう空気を読んであげるタイプじゃないでシュコ。……というか、あなた私の嫌いなタイプなのよね、やっぱり殺しちゃおうかしら……でシュコ」


「かかってこいゲス子!! その波動、私の後ろに少しでも通すと思うなッ!!」


「(カツジ……なんて力強く、美しい言葉なんだ……。そのボロボロの背中は、絶対に倒れまいとする意志が満ちている。コイツはきっと、俺が逃げ切るまで膝をつかないだろう、どんな衝撃がどんな苦しみが襲ってこようとも。ちくしょう、俺だって戦いたい、守りたい!! 何か、何かできないのかッ!!)」 ポワッ


「……呪いの波動を……凝縮、凝縮」 シュンシュンシュンシュン


「(な、何だ!? 胸が熱く……。何だ? ボソボソとして聴こえないぞ!? 何だって? 言葉……? ()()()()()()()()……?)」


「消し飛ぶシュコッ!! 最大出力!! マンガー・フォース"呪塊"!!」 ズォォォオオオッ!!


「(くっ……何もできず、ここまでか……。せめて、ヨシーー)」 ガシィッ! グイッ!


「ーーえっ!?」 ヨロッ




「ーー後ろで少し転がっててくれ、カツジ」




「ヨシタロウッ!! 何故おぬしが私の前に出るッ!? ダメだッ!!」


「フンッ!! バカな真似シュコ!! 殺される順番が少し変わるだけシュコ!! 消し飛べただの人間ッ!!」


「ヨシタローーーウッ!!!」




「ーー別に、多くは望まない。カレーの辛口でお腹を下しちまう貧弱な身体のくせに、ボロボロになりながらも人のために命を張っちまうくらいプライドが高くて優しい、そんな女の子を俺はただ!! ーー"()()()()"ッ!!!!」




ズガァァァンッッッ!!




「ヨシタロウッ!! ヨシターー 」 ドスンッ

「ーーっぶへっ!!」


「いてて……、流石に相殺はできなかったか……って、マズい、相手の技の威力に押されて転んだ先にいたカツジの上に覆いかぶさるような体勢になってしまった!!」


「ヨシタロウ!! お前!! 生きて!?」 パチンッ

「うべっ!! 両手で頬を挟むな!! 生きてるよっ! 生きてる!」

「どうして……? 直撃だったハズじゃ……?」


「その通りシュコ。……お前、いったい何をしたシュコ?」


「"守りたい"と、そう言葉を紡いだまでだ」


「何をキザなことを……でシュコ。まぁ、いい。今度は2人とも巻き込むデカイのを放ってやるシュコ。それまでお前らはまた呪文に苦しんでいればいいシュコ!! さぁファンども!! 再び呪文を唱えるシューー」


「ーー"聞け"」


「オゥ……」

「エゥ……」

「アゥ……」


「なっ!! 呪文が、止められたシュコ!? いったい何をーー」


「ーー表現を失くしちまったままで本当に良いのかよ、お前ら」


「……?」

「……?」

「……?」


「自分の感じたこと、相手に伝えたいこと、その全てを表現できなくなって、与えられた幸せや楽しさ悲しさをただ自分の内側だけで消化するだけの毎日が、本当にお前らが求めるものなのかよ!?」


「!」

「!」

「!」


「思い出せよ!! お前らのライブ前の訓練された動きを見たぜ!? あれはそんな未来を求めて練習したものじゃないんだろう!? ゲヘナちゃんを、仮面メイドのみんなを応援したい、ただその純粋な気持ちのために生み出されたものだろうが!!」


「……!!」

「……!!」

「……!!」


「お、お前たち!! 何を躊躇しているシュコ!! 早く呪文を唱えるシュコ!! お前たちは私のために使われていればそれでーー」


「ーー"目を覚ませ"。そして、お前たち1人1人が本当にゲヘナちゃんのためになると思うことに、最善を尽くせっ!!」


「オォォォオオオ!!」

「オォォォオオオ!!」

「オォォォオオオ!!」


「なっ……!? ありえないシュコ!! 度重なるマンガー・フォースの放射で、今のコイツらにもはや理性なんて呼べるものはないハズ……!!」

「理性じゃないんだろうさ……」

「何っ!?」

「耳を傾けてみれば分かるハズだぜ! クイッ」

「えっ……」


「ゲ、ゲヘ……ゲヘナちゃ……ん」

「ゲヘナちゃん……、ゲヘナちゃん……!!」

「ゲヘナちゃん!! ゲヘナちゃん!! ゲッヘナちゃんっ!!」


「「「ゲッヘナちゃんっ!! ゲッヘナちゃんっ!! ゲッヘナちゃんっ!!」」」


「--!!」

「ヨ、ヨシタロウ……? これはいったいどういうことだ……? 何が起こっている……!?」

「簡単だよ、カツジ。なぁ、そうだろ? ……ゲヘナちゃん?」


「これは、コール…………私へのコール……?」


「うむ!? 何やらやかましかった電子音が、メロディーを作って……普通の曲に……!!」


「「「はい! はい! はい! はい! あー ジャージャー!」」」


「「オタ芸コール……!!!!」」

「うむ? "おたげいこーる"??」


「「「タイガー! ファイアー! サイバー! ファイバー! ダイバー! バイバー! ジャージャー! ファイボ! ワイパー!」」」


「「「~~♪」」」


「なっ!? 仮面メイドのみんなが歌い始めて!! いつの間に同僚たちの支配が解けていたの!?」

「俺は支配を解いていないさ。他の仮面メイドたちにも、ファンたちの熱い魂の叫び(ミックス)が届いているんだ!」

「そん……なっ!!」

「なぁ、教えてくれよ……。ファンたちを、同僚たちを洗脳してまで遂げたい目的ってのは何なんだよ……? あのコールを聞いただろ!? 今までのゲヘナちゃんを応援してくれる人がこんなにいるんだ!! その想いを全部捨ててまで、いったい何がしたいっていうんだよ!!」

「……!!」


「…………」


「……もっと、もっと人気が欲しかった」


「人気……?」


「ここだけじゃない……。この秋葉原で、いや日本で1番のアイドルになりたいと思ったっ!!」


「おぬし!! それだけのためにこんなことを!?」

「それだけ……? それだけって何だよッ!? この秋葉原にどれだけの地下アイドルがいて、その中のどれだけが表舞台に立てると思っている? ほんのヒト摘みよ。だから私は本格的なライブイベントができるこの仮面メイド喫茶でアルバイトしながら歌とパフォーマンスをいっぱい練習して、地下アイドルとして活動してそれからまた別のアルバイトをして!! それでも芽が出なくて!! わかるっ!? 私の気持ち!!」


「おぬしが辛い思いをしていたのは分かっーー」



「ーー分かるわけねーだろぉーがよォッ!! あ゛ぁ!?」



「ビクゥッ!!」


「「「ーー虎! 火! 人造! 繊維! 海女! 振動! 化繊(かっせーん)!」」」


「お前らもぉぉぉ!! ぅるっせぇぇぇえええんだよォお!!!!」


「「「ビクゥッ!!」」」


「……ど、どうする。ヨシタロウ、あいつ完全に化けの皮が剥がれとる…… 」ビクビク

「……だ、大丈夫だ!! 後は俺に任せとけ!!」

女の子に限らず人の2面性って怖いですよね・・・・・・

あの人普段すごく愛想がいいのに、部屋を覗いてみたらウサギのぬいぐるみ殴りつけてる~みたいな時とか。

ないか、そんな場面。

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