罪。
次に目を覚ましたのは、薄暗く固く冷たい地面の上だった。
「ん・・・」「・・・」
目を凝らして辺りを見渡してみると、そこにはA子とB美がいた。
「2人とも起きて」
私は2人をゆすって起こした。
「・・・おはよ?」「おはよう?C奈」
2人とも起きて、起こす私を不思議そうな目で見た。
「ここどこ?」
そう私に言われて、2人は辺りの景色を見て、唖然としていた。
・・・この驚き方はやっぱり2人とも私と同じ被害者なんだ。
「これって・・・・誘拐?」「身体の節々が痛い・・・」
警察呼ばなきゃと慌ててB美が懐にしまってあったはずのスマホを取り出そうとしても・・・
「あれ・・ない」「同じく」
私もいつもしまってあるはずの場所になかった。そして、どこかにあるかもしれないという希望を胸に全身を探ってみてもそれらしいものの感触があるはずもなかった。
「誘拐なら連絡手段なんて残しておくはずないよね・・・」
こんな状況では・・・そんなものがあるはずもなかった。
「なんで私が、だから、私は肝試しなんて嫌だって・・・」
そうB美がブツブツと頭を抱えて呟き始めた。こんな静かな部屋の中そのつぶやきは私達の耳にはっきりと聞こえてきた。A子はそれを聞いて「ごめん」と謝ってきた。
「元はと言えばあんたがオカルト好きなんてことでこうなったんじゃない・・・」
そう顔をあげて、B美はそうA子に向けていったが、A子の涙を浮かべるその顔をみて、冷静さを取り戻したのか・・・
「あ・・・ごめん、そんなつもりじゃ」
と謝っていた。
私は私たちが監禁されている場所をよく見ていて、ただ上のほうで薄く私達を照らす豆電球があるだけで他に何かものなんてものは置かれていなかった。そして、もう一つ目につくのが・・・
「・・・鉄扉?」
現代で生活していたら、目にすることがないであろうモノであった。軽く手で触れてみると、冷たくそれでいて顔を近づけて嗅いでみると、金属特有の鉄錆に似た匂いがしてきた。
「開けれるの?」
B美が近づいてきて、私に聞いてきた。
「わかんない・・・でも、開けてもたぶん・・・」
そうだ。開ければその先に私達を誘拐した人物がいるかもしれない。私たちが勝てるなんて・・・そんなことは思わない。現にこうして私達は誘拐されているんだ。
そう思ってはいても・・・開けてみたいという気持ちがないわけではない。でも、その先に出たいという気持ちが強かったB美は鉄扉のノブに手をかけ、捻り、開けようとした。
でも・・・
「開かない」
鍵がかかっているらしく、こちらからではビクともしなかった。
そんな中A子は・・・さっきB美ことを気にしてるのか、隅のほうでうずくまり、謝っていた。私達の視界に入らないように。私達を巻き込んでしまったことに対しての謝罪が聞こえてくる。
「A子大丈夫だからね?怒ってないから、謝らないで」
「・・・ごめんなさい」
そう言って、A子は謝ることはやめた。だけど、隅っこにいることはやめなかった。これ以上言っていてもA子を威圧するだけかなと思い、その場をあとにして、私も壁際のほうに背中を預けて座った。
時間がたっても、私達の前に犯人と思われる人が現れることはなかった。
「ねぇ・・・2人はどんな風に誘拐されたの?」
私は気を紛らわすためにそんな質問を二人にした。
まずは私からB男をからかった部分を除いて話して、最後に車の中でなんだか眠くなって眠って起きたらここにいたということを話した。
そして、次にB美が話し始めた。
「私は・・・まずA男と一緒に1階に入ったんだけど、最初にドアがガタガタって音が聞こえてきて、途端にドンドンって強く叩く音が聞こえてきて、私怖くなって・・・一階は無視して、2階にいったの」
あ・・・・それたぶんB男のことだ。
「で・・・そのあと鉢合わせるのもわるいし、2階の6か所あった全部の部屋回って、4つ目の部屋で部屋の片隅で頭骸骨見つけちゃって、怖くて腰抜けちゃって」
あ・・・それたぶん私の投げ捨てた奴だ。
「それで、車に戻ろうとしたら、A子の悲鳴が聞こえて、それでA男が心配になって私置いて、見に行ったら、倒れているA子と黒ずくめの仮面をつけてるやつがいて、A男がそいつに殴りかかったけど、それで簡単に避けられて何か鈍い音がしてA男が倒れて、その仮面の奴が私のほうにやってきて、私も殴られて気を失ったらここよ・・・」
B美が話し終わってから、A子がぽつぽつと話し始めた。
「正面の部屋にいって、私達は暖炉の部屋をみてから、その隣にある部屋に行ったの・・・そこは広くて、そう・・・たぶん食堂なんじゃないかな・・・そこでC男と一緒に話してて、そこで奥の調理室?みたいなところから音がして、私怖くて・・・それでC男が『ここで待ってて』って言って私に懐中電灯預けて、自分はスマホライトで照らしながら奥に行ったの・・・そして、C男の悲鳴が聞こえたらと思ったら、その奥から黒ずくめの仮面の人が出てきて・・・私怖くて怖くて悲鳴上げることしかできなくて・・・そしたらA男とB美がきてくれ・・・でも、うまく言葉が出せなくて、嬉しくて、でも怖くて・・・そしたら、A男がその人に殴りかかったと思ったら、すぐ倒されちゃって、わたしわたしそれで・・・呼吸が苦しくなって、そこから先のことは覚えてなくて・・・ごめんなさい」
そう申し訳なさそうにA子が言った。
それでこんな状況で何を話していいのかなんて私にもわからないから、誰もしゃべらなくなり、重たい空気の中、ただ時間だけが過ぎていった。




