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第6章ー14

 土方千恵子は、自分の把握している各国のソ連欧州本土の侵攻作戦に投入される兵力等を考えた。

 日米を併せると約68個師団、約320万人といったところだった。


 そして、英連邦軍が、約50個師団、約150万人をかき集めていた。

(本来から言えば、英連邦軍は更に兵力を集めることが可能だったが、インドの混乱によって、英印軍は、インドの治安維持に当たらざるを得なくなっており、オーストラリアやニュージーランドの軍隊も、インドの騒乱が更に広がった場合に、対処する為に余り動かすことが出来なくなっていた。

 そのために、英本土とカナダ、南アフリカからしか、英連邦軍は事実上動員できなかった。)


 また、仏軍も開戦以来、兵力を損耗させてはいたが、何とか仏印等の植民地軍までかき集めることによって、約50個師団、約150万人と英連邦軍と同程度の兵力をかき集めていた。

 この辺りまでが、連合国軍の主力をなす戦力と言えた。


 次に兵力を動員していたのが、伊軍だった。

 参戦したのが、米英仏日から遅れていたこともあり、約30個師団、約100万人を対ソ欧州本土進攻作戦に提供すると、ムッソリーニは言明し、実際に東欧に部隊を送りこんでいた。

(その代償として、アルバニアとエチオピアを伊が領有することを認めるように、伊は求めており、米英仏日は口先では、それを認めるとこの時は言っていた。

 だが、本音では米英仏日は認める気はなく、第二次世界大戦終結後に尾を引く問題になる。)


 そして、それ以外となってくると。

 まず、ポーランド、チェコスロヴァキアは、独によって荒らされた国土復興に懸命の有様で、余り動員を掛けられる状況ではなかった。

 そうは言っても、ポーランドは東部国境問題があったから、対ソ欧州本土侵攻作戦が本格的に動きだした際には、約15個師団、約50万人を参戦させる用意があり、チェコスロヴァキアも約5個師団、約15万人を参戦させることになっていた。


 ハンガリーに至っては、かねてからの行きがかりから、中々、動こうとはしなかった。

 連合国から散々な圧力を掛けられた末、ユダヤ人迫害を不問にする等、ハンガリーへの内政不干渉の代償として対ソ戦に本格突入した暁には、約5個師団、約15万人の派遣に何とか同意したが、ハンガリー軍は、ルーマニアやチェコスロヴァキアと肩を並べて戦うことは断固拒否しており、連合国側も半ば人質とハンガリー軍を見なしている有様だった。

 

 意外と積極的なのがルーマニアだった。

 ここはベッサラビア問題を、ソ連との間に抱えており、その問題についての最終的解決を図るために、対ソ戦に積極的になっていた。

 そのために、連合国軍が駐屯することも積極的に認めていた。

(なお、これはハンガリーとの間の領土問題も絡んでおり、連合国側にすり寄ることで、ルーマニアは自国に有利に解決するつもりだった。)


 そのために約20個師団、約60万人程を自ら提供することを提案し、実際に提供した程だったが。

 第一次世界大戦の苦い経験を覚えている英仏日等は、余りルーマニアに期待していなかった。

 

 次に積極的なのが、フィンランドだった。

 フィンランドは、ノルウェー等を介して、冬戦争で消耗した兵器等の補充を済ませていた。

 バルト海上陸作戦が展開され次第、ソ連に対して参戦することを米英仏日等の間で密約を交わしていた。

 そのために約10個師団、30万人が動員可能になっていた。

 更にフィンランドを助けるために、スウェーデンから義勇兵が1万人以上の規模で駆けつけた。

 また、ノルウェー軍もフィンランドとの共闘を決めていた。

 これらを併せれば、この方面の北欧戦線の兵力は約40万人程にまで膨れ上がっていた。 

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