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第2章ー2

 ある程度は背景説明が必要なので、描写が前後しますが、ご寛恕ください。

 少し時を遡った描写を交えて語る。


 1941年8月31日にベルリンが陥落して以降、ポーランドでは亡命していた正統政府が復帰し、チェコスロヴァキアでは米英仏日等の連合国の後援により、暫定政府が設置されて、ミュンヘン会談以前の領土がチェコスロヴァキアの正当なものであると認められていた。

 とは言え、両国共に、国土が独による収奪や戦禍によって荒廃しており、連合国の全面的な支援があって存在できるというのが現状だった。

 そのために、連合国は物心両面での両国への支援を余儀なくされていた。


 それに政府ができたからといって、すぐに行政機関等の統治機構が動くわけではない。

 統治機構を動かすためには人、物等々が必要で、それらを再構築する必要もある。

 こうしたことにポーランドとチェコスロヴァキアは1941年9月と10月は費やされることになった。


 そして、独本土では、米英仏三国による軍政を基本とする分割統治が始まった。

 また、墺は墺で、基本的に伊が単独で軍政を敷いた上での統治が始まった。

 ちなみに日本は、こうした動きに余り関与できず、蘭白等と同様にお目付、調整役的な役割しか割り振られていなかった。

 これは日本は日本で、中国本土の占領地の統治に手いっぱいだったことからである。


 しかし、これはこれで今やソ連領内に亡命政権を樹立しているハイドリヒ率いる民主ドイツ政府の格好の攻撃材料になっていた。

 そのために連合国側の各国は、独ではゲルデラーを、墺ではレンナーを首班とする臨時政府を受け皿とする政権を樹立して、直接の軍政から、臨時政府による間接統治への移行を図ろうともしていた。

 だが、それこそ独において国政選挙をするにしても、選挙人名簿を作成することから始めないといけないような有様である。

 作業が遅々として中々進まないのも当然といえば当然だった。

 そして、戦災による物資の欠乏は独国内でも深刻なものがあり、独国内で餓死者が出る有様で、それこそ明日の家族のパンを手に入れるために連合国の将兵に売春する若い女性が数多見られるようになっていた。

  

 更にハンガリーに対する問題もあった。

 ハンガリーは中立を標榜していたが、完全に独ソ寄りの中立国で参戦していないだけと、連合国側の各国はみなしていたし、中立国の多くの見解も同様だった。

 更にウィーン裁定等により、チェコスロヴァキアから領土を得てもいた。

 連合国側は、ウィーン裁定等は無効であるとして、ミュンヘン会談以前の国境が正しいとして、ハンガリーに軍事的な圧力をかけているのが現状だった。


(ちなみに何故にハンガリーに軍事的な圧力を連合国側は懸けるだけで、ハンガリー侵攻という事態が起きないかと言うと、ソ連の軍事的脅威があった。

 スターリン率いる当時のソ連政府としては、この時に極東戦線の現状に鑑み、連合国軍を国土の奥深くに誘い込み、その上で反撃を加えて自国に有利な休戦条約を結ぼうと策していたようだが、この当時の連合国側には、そのようなソ連の意図が分かる訳はなく、ソ連軍がポーランドやチェコスロヴァキアへ侵攻してくる可能性を考慮せざるを得なかった。

 そのためにハンガリーには軍事的圧力をかけるだけに止めていたのである。)


 とは言え、そういった現状はハンガリーにも見えている。

 また、ハンガリーは独から大量の武器弾薬の譲受を水面下で受取ることで、独軍の将兵等のソ連への亡命を受け入れており、一撃だけになる公算が高いが、かなりの軍事的抵抗が可能であるとも見られていた。

 そうしたことから、のらりくらりとした外交交渉で、少しでも犠牲を少なくしようとハンガリー政府は策しており、連合国側はそうしたことにも頭を痛めていた。

 ここに出てくるウィーン裁定ですが、史実のいわゆる第一次ウィーン裁定とほぼ同じです。

(細かく書くとかなり長くなります。

 もう少し細かく書いてほしい、という要望が感想やメッセージであれば、活動報告で対応しようと考えています。)


 ご意見、ご感想をお待ちしています。

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