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冴えない元ゲーマーの成り上がり異世界冒険録  作者: 雪野
地の底からの復讐者編
11/45

脱出

嬉し恥ずかし初レビュー頂きました! 無理かなと思っていましたが日間総合にも載っておりました。ありがとうございます。

 上の階でシャインを待ち受けていたのは蟻の巣状に広がる広大な洞窟。デスナイト・アビスを倒してから約半日、シャインはダンジョン内を無数のアンデッドに襲われながら彷徨っていた。表情には焦りが見える。

 出てくる魔物に誤算があった。下の階でいた奈落のグールやスケルトンアサシンもいたのだ。


休憩時〈ダークネス・キングダム〉を試す。


《ダークネス・キングダム》


 ぱっと目の前が真っ暗になった。


「え、俺まで見えないんですけど」


 範囲内の全員を暗視不可の暗闇にするようだ。

〈気配察知〉や〈五感強化〉に集中することで何とか動くことはできる。


 その時、閃いた。〈アクティブサークル〉と相性いいかも。

 思いたったが吉日〈気配察知〉〈魔力感知〉〈五感強化〉を合成消費して、〈アクティブサークル〉を獲得!


【アクティブサークル】レア度:SSR。

半径10メートルまでの伸縮可能な円形の知覚領域を作る。MPを消費することで円を10メートル以上に拡張可能。


 円形の知覚域が展開されたのが分かる。視認できないが円の中の動きは今まで以上にはっきりと感じられる。しばらくして再度試してみる。


《ダークネス・キングダム》


「おお、この組み合わせはコンボになっている」


 闇の中を自由自在に動けた。アクティブサークルは半径を小さくすればするほど精度が上がることが分かった。


 また休憩時、幻影を試す。〈幻影:装飾〉は肌や装備を思念でペイントできるというものだった。一定時間毎にMPを1消費するが自動回復で間に合うので常時発動は可能。〈幻影:偽装〉と併用するとMPは微減していく。

【MP自然回復量(中)アップ】を獲得することでMPを維持して使えるようになった。


 スケルトンアサシンはもはやタイマンでも怖くない。しかし、奈落のグールだけはだめ。狭い洞窟を逃げ回った。


 この階で300体以上は倒しレベル38になった。対応力を残すため、スキル選択権を2つ残して選ばないことにした。


 ついに上に登る階段を発見する。

 次の階層はスケルトンソードマンやスケルトンアーチャーなどさらに弱いアンデッドたちがいた。この階には奈落のグールはおらず、もはやシャインにまともにダメージを与えられる魔物は存在しなくなった。


 しかし焦りの色は変わらない。魔物が問題ではない。シャインを焦らせる原因は空腹。先ほどは嘔吐してしまい雑草だけでは限界だと感じる。このまま迷宮でもたもたしていたら餓死してしまうだろう。


 ダンジョンを逆走している状態だということは分かるが、今何階で、あと何階層あるのかが分からない。時間が経つにつれ増してくる焦燥感の中、丸一日かけて踏破した。



 次の階層はただのスケルトンとゾンビになっていた。


 食べ物のことしか考えれない地獄のような時期を過ぎ、修行僧のような明鏡止水に到達していた。


 足取りは重いなりに淡々と進むが、行き止まりにあたるだけで気が遠くなる。

 アンデッドは相手をするのも億劫な状態。

 睡眠不足もあって目蓋が重い。

 シャインは気絶するように倒れ込んだ。


★★★★★★★★★★★★



「う!? ぅぼっ……」


 起きたシャインは溺れるように目の前を掻きむしる。

 顔に張り付いた何かを引き剥がし壁に投げつけた。


 壁に激突したそれはびちゃっと潰れたものの、アメーバ状でずりずり動きシャインから離れていった。


【グリーンスライム】

スライム種。ダンジョン等でよく見られるスライム。


 

「はあ、はあ、なんだスライムか。いつの間にか倒れ――なっ」


 シャインは下半身の異常事態に気がついた。

 ゾンビとスケルトンが足にかぶり付いてハミハミしている。


「……」


 間近で見ると怖いが、もはや絶叫する気力もない。

 ダガーをそれぞれの頭にぶすりと突き刺して倒す。起き上がる。


 少し休んだお陰か、体が軽くなった気がする。


 この階も1日かけて踏破する。

 次の階層はゾンビとコウモリのような醜悪な悪魔〈インプ〉だけ。

 魔物が弱くなるにつれて確実に地上が近付いているのを感じる。

 その希望だけがシャインの身体を突き動かす。


 そして――ついにその時がきた。


 階段を登った先には石の扉が見えた。わずかに漏れている光、隙間から流れてくる空気をいち早く〈アクティブサークル〉で感じとった、


「ああ……」


 間違いない。開けてもいないうちから涙が溢れてくる。

 重い石の扉を押し開ける。


 「――眩し」


 眩しさでしばらく立ちすくむ。

 目が慣れてくるとこの場所は、丘の上にある石造りの祭壇だった。遠巻きに点在する薄気味悪い湿地が周りを囲っている。


「すーはー、すーはー」


 毒気を含んだ空気が新鮮に感じる。

 シャインは目元に涙を溜めながら、胸いっぱいに吸い込んだ。


「う」


 麻痺していた空腹が、腹を刺し一瞬で気持ちが現実に引き戻される。


 ――ここからは茨の道だ。

 魔王城に侵入してあいつらぶちのめしてカイを助ける。


 無謀な行為だ。デスナイト・アビスに勝ったからと言って無敵になったと考えるほど愚かではない。

 このまま逃げることが一番賢明かもしれない。しかしそれは出来ない。

 カイのこともあるが、このままでは終われない。

 戦場に向かうような厳しい面持ち、しかし口の端の片方だけが上がっている。シャインはゆっくりと丘を降り始めた。



────────────────────


ステータス

【名前】シャイン・インダーク

【称号】魔王の息子、アビスの祝福(new)

【種族】ダークエルフ

【クラス】アサシンナイトウォーカー


【レベル:38】

HP:438/438

MP:427/427


力:30(new+1)

体力:13(new+1)

敏捷:34(new+1)

魔力:31(new+1)

精神:31(new+1)

運:31



パッシブスキル


『オーバースキャン』SSR+。

『アクティブサークル』SSR。

『ダメージ軽減:50』SSR。

『アンチェイン』SSR。

『閃き』SR+。

『即死無効』SR+。

『フォーチュン/幸運』SR。

『気配遮断EX』SR。

『確定ダメージ』SR。

『鎧通し』SR。

『リダクションダメージ』SR。


アクティブスキル


『ダークネス・キングダム』SSR。

『幻影』SSR。(new!)

『ソウルブレイク』SR+。

『アイテムボックス』SR+。

『スキルキャンセラー』SR。


魔法


『フェイク・リザレクション/仮初めの魂』SSR+。

『魔力分解』SR+。(new!)

『カウンターマジック/対抗呪文』SR。

『マジックアロー』UC。

『アースバレット/地弾』UC。

『エンチャント・ウェポン/武器強化』

『テレパシー/思念』UC。

他、いくつかの魔法と、素材やアイテム大量。

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