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魔界転生  作者: なつのつな
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目覚め

『あれ、俺ゲームしながら寝ちまったのか、パーティのみんな困ってるだろうな、謝っとくか』

いつものようにパソコンを付けようとするとある違和感に気付いた。

『パソコンがない』

部屋のどこを見回してもなかった

一瞬、盗難にでもあったのかと疑うが、部屋には一切荒らされた形跡もない。


『そんなはずは...あれ?』

腕を組んで考えようとすると、自分の体の体温が異常に低い事に気付いた。


『なんか急に寒くなってきたな』

そう思った直後、背後から女の声が聞こえてきた


『まだ気づかないのかなー?』

いきなり話しかけられて背筋が凍る

振り向くと金髪の髪をしたスタイルのいい女と、ガタイのいいマッチョなハゲの男がいた


『私、ミルンって言うのよろしくね』


『俺はガランだ、お前は何だ?』


いきなり自己紹介をされ困惑する

(あの男と女、どうやって家に現れたんだ? それに普通に不法侵入じゃないのか)


『あなた達なんですか?』

勇気を振り絞って聞いた


『なんだろうな、オレ達って』

『難しい質問だねー』


(考えてみれば自分が何かという問いに答えるのは難しいのかもしれないな)


『何をしに来たんですか?』

金髪の女が待ってましたと言わんばかりの勢いで答える。

『この男が異世界への扉を開けてこの世界に逃げ込んだんだけど近くにいた私も巻き込まれちゃってさ、ここの世界に来たってわけよ』


『ガッハハハハハハ、まさかお前を巻き込むとはな』隣で男が笑っている。

女がため息をこぼす。


『それでここからが本題なんだよ!異世界の扉を開く準備をしていた時に、近くから尋常じゃない集中力を放ってる奴がたんだよ、あの集中力には驚いたね』


『オレもかなり驚いたなぁ!』


『それが俺だってことか?』


『まぁ、そうなんだけど、問題はここからなのよ

気になって見に行ってみたら集中しすぎて死んでたのよね』


『集中のし過ぎで気力を使い切るとはなぁ!

ガッハハハハ』

突然自分の死を告げられ焦燥感に浸される


『あれ、いま死んでたって言った!?おかしいな聞き間違えかなぁ!?』


『しっかし、まぁこんなものに集中して死ぬとはなぁ』男が俺のパソコンを担ぎ上げ言った。


『それ返してくださいよ!』

(まだ俺はゲームがやりたい、パーティのみんなとまた遊びたい)そんな気持ちが突然湧いてくる


『うーん、そうね!あなたが私達についてくるなら、いつか返してあげるわよ』


『ふざけるなそれは俺のものだ、お前のものじゃないだろ?』

ゲームの事になるとすぐにキレる、悪い癖だ、

自分でも気づいているが治せない。

『なによその言い草、助けてあげないわよ』


『助ける?さっきからなにを言ってるのか分からないな!パソコンを置いて出て行ってくれよ』

2人が喧嘩してると笑い声が聞こえてくる


『ガッハハハ返してやろうか?』そう言って男はパソコンを床に落とす。もともと壊れかけだったのでその衝撃に耐えられず『バゴン!!』と大きな音を立てて上画面と下画面に別れてしまった。


『ガラン、あなたなんてことを』

部屋の空気が変わる

目の前で俺の全てが壊された

俺の全てが


『ガッハハハ割れてしまったな!』

空気を全く読まずにガランが喋り出す


その直後

『ふざけるな』

その声は怒りとも悲しみとも聞こえる

『お前ら、ふざけるなぁ!』

今までの人生の中で恐らく一番大きい声だった


『お前らって私何もしてないわよね?』

『お前も同罪だ!』

そういって隣に置いてあったリモコンを持って二人に殴りかかる

とっさに二人は後ろに回避する

しかしまだ攻撃は終わりではない

リモコンを女に向かって投げつけた

この攻撃は予想外だったらしく女の顔面に直撃した


『やったぜぇ!!』


『信じられない、女に手を出すなんて』

女は顔を真っ赤にして言った

後ろで音が苦笑している


『お前らが悪いんだ!』


『もういいわ、扉を開いてガラン』


『ガッハハハ開くぞ!』

その直後、俺は気を失った



話し声が聞こえる


『もしかして死んじゃった?』

心配そうな女の声が聞こえてくる


『かもしれんな!ガッハハハ』


なぜいつもこの男は笑っているのだろうか、何が面白いのだろう。そんな疑問を抱きながら起き上がる


『はぁ、夢じゃないのか』

俺はベッドの上で寝ていた


『良かった、生きてたわ!』


ガランが近づいてくる


こいつは俺のパソコンを壊した男なのだが不思議なことに怒りが湧いてこない。


俺の前まで近づいてくると深く頭を下げた。

そして一言

『ガッハハハすまねぇ!』


本当に謝る気があるのだろうかと一瞬思ったがその言葉はどこか真剣味をおびていた。


『はぁ、もういいよ』

正直パソコンの事などどうでもよくなっていた



『代わりにこの世界の事、教えてくれないか?』


『構わんぞ!』


『ちょっと何か忘れてるんじゃないの?』

ミルンが不満気に言う


『なにか忘れてるか?』


『あんたも大概ね』

呆れたように言った


『私にも謝りなさいよ!』


パソコンを壊された事に衝撃を受けてリモコンを投げつけていた事を忘れていた


(いつも言い訳をしながらごめんなさいを言えなかったな俺は、ゲームの中では言えるんだけどなぁ)


『ごめんな!』

思い切って謝る事にした


『わかればいいのよ』


その後ガランとミルンからこの世界の事を聞いた。






















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