表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/63

7

(な……に……!?)


 グレンの思考が完全に止まった。魔王幹部連合軍、通称『十神魔将』は十人のプロのゲーマー達である。運営から雇われ、運営にお金を貰ってプレイしている。その実力は、たった一人で、上級者たちのいる村を壊滅させる事も可能だったりする。


 一度でもプロのゲーマーと(あい)(まみ)えた事のある腕に自信のあるゲーマーだと、プロのゲーマーが自分とどれだけの力量差を持っているのか、ピンとくるだろう。初心者に分かりやすく一言で言えば、『次元が違う。同じゲームをやっているとは到底思えない』だろうか。もっともっと分かりやすく言えば、格闘ゲームで上級者相手に百連勝、二百連勝を平気でやってのけたりする連中の事を指す。


 ちなみに十神魔将のパラメーターは優遇されて、他の者よりちょっとだけ強かったり。事実上、このゲームが成り立っているのは十神魔将の活躍が非常に大きい。彼らが討ち取られたら運営はさすがにサービスを中止せざるを得ない。魔王だけでやっていけるほど、ギルド側もナメられてはいない。中止するとどうなるのか、それはプロのゲーマーが食べていけなくなる。つまりは、十神魔将としては毎回本気で戦わなければならないのだ。



「くそっ! 一人でも厄介なのに、十人まとめてだと……? ふざけんな!」



(……? 十人まとめて?)


 慌てふためく街。動きを止めている者は、現在グレンを除いて他にいない。近くにいる同業者パーティの言葉を耳にし、グレンはふと疑問に思った。



「今連絡が入った! 他の上級者の街は全て陥落! あいつらも深手を負ってはいるが、まだまだ余裕があるみたいだ!」


「だ、ダメだ……! お、俺は落ちるぜ!」


「おい馬鹿! ここで逃げたら終わりなんだよ! 中級者じゃ絶対、天地がひっくり返ってもあいつらには勝てない! 特に、なっちゅには……」



 なっちゅ。十神魔将のスケ番とも呼ばれている女性プレイヤーだ。戦場で会えば『な、なっちゅだ……! なっちゅが出たーッ!』と恐れ慄かれ、全てのプレイヤーは己の不運を呪うのだという。ここは上級者の街、最後の砦。もしここも陥落させられると中級者ゾーンへと突入されてしまう。さらにそこも突破されたら……初心者のエリアだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ