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55

 一度は殺そうと考えた国王。その国王がまさか眼前にいるとは。四人と一人の騎士は形だけでも深々と頭を垂れた。



「――? なんか、声が以前とは違うようじゃの」


「そ、そんな事ありませんのよ、うふふ」



 即座に声色を変え応答する。


(グレン……。マジキモい)


(るせー! だったらお前がやれよロリビッチ!)


 個人チャットで話していると、



「失礼しました、国王。このエディ、只今戻りました」



 隣を見ると、変なおじさんこと、エディが真顔で答えている。よくよく考えればグレンが呼ばれたのではなく、エディが呼ばれたのだ。国王軍の紋章が入ったネックレスを持っていたのは、エディなのだから。



「おぉ! 余がたった一人認めた伝説の勇者、エディ! よく顔を見せてみせよ。うぅん、簾が邪魔で見えぬ」



 だったら最初から簾なんて垂らさなきゃいいものを。


 『失礼』と一言、団長が簾を上げてエディとの再会を果たす国王。その姿は、まんま少年だった。大きな冠を乗っけて、というか乗っけさせられて、というのか。ぶかぶかでものすごく違和感がある。



「おぉ、……ぉお? ……ひっ捕らえよ。そやつは、エディでもなんでもない。似ても似つかぬわ」



 一瞬だけ目を輝かせ、国王は死んだ魚のような瞳で言い放つ。


 大変な事になってしまった。『ボク、知ーらない……』と言わんばかりに抜き足差し足で帰っていく三人。国王が指をパチンと鳴らすと、甲冑を着た人物が風を纏い忍者のように音もなくグレンたちの前に現れた。さすがにレベル1でどうにか出来る相手ではなさそうだ。



「なんじゃ、貴様らは。どうやってその紋章を手に入れた?」


「そ、それは、なぜか私が持っていたのだ!」



 団長に組まれながらも必死に抵抗し離れているエディ(?)。なおも国王の前へ行き再び頭を下げた。



「その紋章、よもや知らぬとは言わせぬぞ。代々王家に伝わる物……。余は魔王と同格であり親友という意味でエディに与えたのじゃ。貴様ではない。……ん? 貴様、どこかで見た事があるな……」


「魔王討伐なら、この私どもにお任せ下さい」


「元よりそのつもりで余もエディを呼んだのじゃが、貴様ではない。どういった経緯でそのネックレスを手に入れた」


「……私が目覚めた時、そこには川が流れておりました。今まで一体なにをやっていたのか、そして自分が誰なのか、まったく分かりませんでした。ただ、倒れていた私の手に、重なるようにキラリと光る物が落ちておりました。それが、このネックレスだったのです」


「……ふむ。嘘を言っているようには見えぬが、どう思う? ミリア」


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