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(ていうか、なんでなっちゅの存在に気付かないんだ団長)


 間抜け面して呑気に笑っている。


 みんなレベルに惑わされまくっているのかもしれない。『十神魔将がレベル1なはずがない』と、そういう先入観があるのだろうか。



「団長! おかえりなさいませ。そちらの方々が……」


「あぁ、そうだ。君、馬をよろしく頼む」


「はっ」


「さ、国王様の元へ急ぐぞ」



 どでかい城の敷地内に到着するなり、団長はまた別の部下へと馬を預けた。団長の衛兵はずっと黙ってついてきている。



「団長、どういう事なんだ? 騎士団、ピンピンしてんじゃねーか。魔王にフルボッコにされたんじゃないのか……?」


「あぁ、三人の副長はな。大きな損失な上に色々と計算外だったが、魔王が強すぎたのだ。我々が弱かったのではない」



 普段城に入る機会なんてない。グレンは処刑を待つ悪党のような気分で、肩を落としながら団長へとついていく。マリエッタはこういう所に来るのは初めてなのだろう、左右に伸びる川のように幅のある廊下を目を蘭蘭と輝かせてキャハハと行ったり来たりを繰り返している。



「グレンー! こっちこっち!」


「遊びに来たんじゃないんだぞ」



 もしかしたら次の場で殺されるかもしれない。



「もー!」



 ピカピカだったレッドカーペットが砂だらけだ。


 なっちゅとエディは何故か、特に興味も示さず人形のようについてきている。


 謁見の間の分厚い門前で、ちらりと団長がグレンたちを見た。



「くれぐれも、失礼のないように。行くぞ」



 重々しい門を開くと、そこは信じられない程までに豪勢な装飾が施された部屋だった。


 純白の壁、金色の柱。その金色の柱が窓から伝ってくる太陽の光で、謁見の間全体を包んでいる。そしてその光を吸収し目をさらに輝かせてシャツの裾を引っ張ってくるマリエッタ。



「伝説の勇者よ、頼みたい事があるのだが」



(ヤバいヤバいヤバい。声出したら絶対にバレる)


 玉座だけ何故かジャパニーズ方式。(すだれ)がかけられてあった。国王らしくない少年っぽい声が部屋全体に響いてくる。



「……? 伝説の勇者よ。聞こえぬのか?」


「はっ、はぃ、だ、大丈夫でー、ございまする」


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