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「あった」
「……ホントだ。こんな所にあるってよく分かったね、グレン。直感ってやつなの?」
「あぁ。ヒントはお前のラップの説明だよ。一回穴が開いたラップが自動的に修復されるか、そう考えたら無理だったからな」
「……意外と単純な戻り方なんですね。ここに入れば、どこに出るんです?」
「たぶん、俺たちがいた酒場だ。詳しくは行ってみないと分からんが」
互いの手を鎖のように強く握り、頭一個分の歪みに触れた。
身体がない。目を開けようとしたが、無駄だった。光が強すぎて、周囲の景色を確認する事が難しすぎる。
(でも、ラッキースケベで行方不明中の王女様の入浴シーンとか見てみたいよな。確信犯だけど。本当に座標が指定できるんだったら、こんなに素晴らしい事はない。いざ行かん! 王女様の露天風呂へ! さぁ行かん! 我らが王女様の露天風呂へ!)
――ざっぱぁん。
「ぶぁぁ! ぎゃあぁぁぁ! あつ、熱っ! 熱いってば!」
女性陣が熱湯へと放り込まれ、グレンは別の近くへと落ちた。喜怒哀楽が激しい方はバシャバシャと暴れて、感情表現が豊かな方は無言で目隠しを取り、しぼる。
彼らが出た場所は、ギルドのむさくるしい男たちが普段から使っている銭湯らしき場所だった。グレンが願った通り……とはいかないものの、とりあえず皆で使う湯浴み所には出たらしい。露天風呂というのはギルドには無いのだ。
今は誰も使っていないのか、周囲に人は見受けられない。ただ一人を除いては。
「……な、なんだ、君たち。戻ってくるにも、戻り方というものがあるだろう」
「エディ! なんでお前なんだよおぉぉ!」
グレンはエディを押し倒すような形で倒れこんでいる。どうやらグレンは天から見放されているようだ。絶望しているグレンの眼前で、シャンプーハットをつけた地黒の変態はポッと頬を桜色に染め、視線を逸らして一言。
「グレンのえっち」
「『えっち』じゃねぇよコノヤロー! おうコラ変なおじさん、お前マジで一発ぶん殴ってやろうか! ……ン?」
そのやり取りを見ているのか、目隠しをしている者からの熱い視線を感じる。ごくりと固唾を飲んで続きが気になっているようだ。




