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逆に言えば、なっちゅの話によるとアイテムさえあれば三次元から別の三次元へ行く事も可能らしい。ではなぜ、あの時なっちゅはアイテムを強調したのだろう。コネさえあれば、その漫画家を呼んで描いてもらう事は可能だ。アイテムとは一体、なんの事を指すのか。
「――そのアイテムの意味が分かれば……」
「……なるほどね。たしかにあの子、本物の十神魔将のなっちゅかも。そういえば家庭訪問した時、お父さんはプロのゲーマーって言ってたような気も……?」
「そうだったのか?」
「うん。ゲームが上手いのは遺伝だと思う」
子供のように――というか子供だが――コクンと頷いて、マリエッタは続ける。
「アイテムっていうのは、特に深い意味はないよ。そのまんまの通り、鍵となるキーアイテムの事だったの」
「……」
「そのアイテムっていうのが、グレン。アンタが手に持ってる国王軍の紋章なんだよ」
チャラ、とネックレスを見つめ、次にマリエッタの顔を見つめる。
「それは確定事項なのか?」
「……たぶん」
視線を逸らされた。ただそれだと、たしかに辻褄は合う。空間が歪んだのも、このネックレスが原因だ。
「私の予想が正しければ、私たちは五次元空間を飛んできて別の三次元空間にいる事になるんだよ」
「ごっ、五次……?」
「そう」
「ご じ げ ん……?」
「そう」
なるほど。まったく分からん。
「四次元が時間を遡る力だと仮定するならば、五次元はパラレルワールドの世界。つまり……グレンや私がもう一人この世界に存在する。さっきのなっちゅと同じようにね」
「…………なんか、パ○スのフ○ルシの○シが○ージでコ○ーンだな……」
頭が痛くなってきた。だけどこの説明をしないとこの物語は成立しない様子。
「そう言わないの。一つ一つ、幼稚園児でも分かるように噛み砕いて説明するから」
マリエッタが言うには、この宇宙は全長が金太郎飴のようなものらしい。金太郎飴を包丁で等間隔に切っていくとしよう。




