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寝ぼけて三次元の話をしていました。四次元の話は訂正しています。
続いて五次元の話をしよう。
五次元というのは四次元空間、また、四次元時空の中にいる生物を見る事が出来る力だ。
五次元空間内で召喚した炎があったとしよう。それを、三次元空間の者にぶつけたいと思った時は四次元空間を通らないといけない可能性が出てくる。
思い浮かべてもらいたい。たとえばテレビを見ているとしよう。登場人物の部屋に置いてあるテレビがあった場合、そのテレビの中の登場人物にぶち当てる感覚だ。その際は四次元空間の、ちょうど三次元空間と交差し、重なった所を狙わないといけない。
『巨大な砂漠の中にある小さなダイヤに宇宙空間外から極細のレーザーを当てるみたいだ。難しすぎないか?』などと思う人も多いだろうが実はそんなに難しくはない。おまるの目と魔王の目、計四つの目で五次元空間を見ているだけであって、実際は三次元空間で戦っているわけだ。『引き寄せの法則』という三次元での自然の摂理が働いて、任意の相手に直撃させる事が出来る。
引き寄せの法則とは、魔法が五次元空間で発生したとしても、魔法を使う者が三次元空間のその場にしか存在出来ないため、勝手に魔法が三次元空間に来てくれるというもの。次元を超越して辿り着いた三次元魔法だからこそ、想像を絶する、計り知れない威力になる。
この次元魔法で十神魔将と聖騎士団らは敗れたのだろう。
「レイチェル様には、本当に頭が上がらにゃいにゃ。あの時、魔王様を五次元に逃がさなかったら、今頃……」
「そうだな。ただ……まったく分からん。なぜ俺は五次元空間へ行き、無事に戻ってこれたのか」
魔王はベッドに座り、真剣な口元でおまるを抱き上げた。ぷらーん、と足を伸ばして、おまるは魔王を見下げる。
「そもそも、五次元空間ってどこにゃ? ウチもよく分かんにゃい」
二人してあれれ、と首をかしげる。
「「まぁ、いっか」」
いつも同時に、この言葉。俺たちは仲良しだね、という相図でもあるのだろう。
がっしゃん。
「あっ」
「にゃああぁぁぁぁッ!?」
「あいたっ」
牛乳瓶が割れ、魔王は怒ったおまるに手を引っかかれるのだった。




