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「……おそらく魔王様はララバスタの村にいると、私は読んでいます。しかし再封印してしまって開く事は出来かねるのです」


「……? 再封印されているのに、どうやって魔王はララバスタの村に入り込めたんだ?」


「魔王様は空間を越える能力を持っています。もちろん、今すぐに私を迎えに来ようと思えば来れると思うのですが……」


「捨てられたのか? かわいそうに」


「ぐ……グレンなんて嫌いです」



 なっちゅの顔が赤くなり、今にも泣きそうなくらいに口元が歪んでいる。空気が読めないわけではないらしいが、すぐに次の言葉を見つけたのか、グレンは身を乗り出してまた尋ねた。



「もし仮に、お前が魔王と戦うとなったら……勝算はあるか?」


「そのような事にはなりたくはないですが……万一私が魔王様を倒すには、かなり修行しなければなりません。もし万一、私のレベルが戻れば可能性はゼロではないはずです」


「……じゃあ、早い話、逆に俺たちが国王を倒せば最速でリアルに帰れるんじゃないのか?」



 どうやら頭が痛くなってきたらしい。背もたれのない椅子にて、んー、と伸びをしている。



「君……いいのか? 国王軍として恥ずかしくないのか?」


「勝ちゃあいいんだよ、勝ちゃあな」


「いや、ルール上負けになると思うのだが……」



 国王の事などまるで眼中にないグレン。おそらくマリエッタも同じような反応だろう。なにげに似た者同士の彼ら。国王のプレイヤーが見てみたい。NPC(ノンプレイヤーキャラクター)なのかもしれないが。



「まぁいい。なんとなく分かった気がする。要するに今、もしかしたら魔王と王女がデキている可能性だって否めないわけなのだな」


「――!?」



 エディに指摘されるまで気付かなかったのだろうか。今回王女の目撃情報と、なっちゅが推測した場所は、とてつもなく近い距離にある。急にそわそわし始めた。



「ま、魔王様と王女様がデキ婚とかになったら……せ、世界はどうなってしまうんですか」


「平和になると思うぞ」



 鼻ほじー、とグレン。たしかに、王女が魔王を尻に敷いたら世界平和は約束されたようなものだ。



「そ、そんなの私が許しません! 魔王様とウェディングロードを歩くのは、この私です!」



 なにげにコイツ、私欲のために世界平和を壊そうとしている。さすが次期魔王(仮)。もちろん王女と魔王がデキているというのは確定事項ではなく単なる話のタネなのだが。


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