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「ちょっといいだろうか。そもそも、国王軍と魔王軍が戦う理由が分からないのだが。漠然としすぎている」


「いい質問ですね。実は、動機がありすぎて説明が困難なのです。領土の問題、正義と悪の問題、宝の奪い合い……様々です。運営側がそのあたりをチュートリアルで説明していないのでややこしい世界観になっています」


「国王軍の事は色々知ってるけど、魔王軍の事は俺なに一つ分かんねぇんだ。そのあたり、説明してくれないか? 十神魔将はなぜ謀反を起こし魔王を攻撃したのか……とか」


「それもいい質問ですね。知っての通り、こちらもこちらで、魔王様が討たれるとサービスが終了する可能性があります」


「それは、なぜだ? 十神魔将は運営から金を貰ってプレイしてるんだろう? 十神魔将は、もう金はいらなかったのか? なぜサービスを終了させたがるんだ? その気になれば、十神魔将は国王軍全員を蹴散らしてサービス終了させる事が可能なんじゃないのか?」



 しつこいくらいに質問攻めをしているグレン。実は世界観の事をよく知らずにプレイしているプレイヤーは、少なくない。



「それもそうなのですが……みんなが魔王様に楯突いたのは……私のせいなんです」


「……? どういう事だよ?」


「十神魔将のみんなは、根がものすごくいい人たちです。グレンのように腐っていません」


「うるせーよっ」


「私は以前、魔王様から命を助けられた事があるのです。夢のようで、どういう状況だったのかも覚えてませんし、顔は仮面を被っていて誰だか分りませんでしたが、たしかにあの時、救われました。その事をみんなに言うと『魔王がぁ? ンなワケあるかよ』と爆笑されましたけれど」


「……」


「グレンには、あのCGを見せたはずです。『魔王は、十神魔将諸共全てを破壊する予定だから謀反を起こして魔王軍の平和を取り戻そう』とみんなから説得されました。次期魔王は私という事で、話は勝手に進んでいったのです。だけど私は、どうも魔王様が世界を壊滅させるような人格には思えないのです。みんなの意見を押し切り、私は、どんな事があったとしても魔王様と一緒にいる。そう心に決めました」



 どうやら、なっちゅは魔王ラブの様子。



「それが、どうなって今ここにいるんだ?」


「魔王様が今、どこにいるのか……従者の私にも分かりません。いくらなんでも、これはあんまりですよ。泣きたいです」


「……なんで俺の顔見て言うんだよ」


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