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ごめんなさい。寝ぼけて「完結」にマーク入れてました。
私にとっては、よくあることです。
「……どういう事だよ?」
「漫画という事で説明しましょう。二次元は二次元ですが花より○子のF4と桜○高校ホスト部の……んーっ、少年系の方がいいでしょうか。幽○白書と烈火○炎の主人公が、それぞれ別の世界に行けると思いますか? 思い浮かべてみて下さい。紅麗と戦う幽助、戸愚呂(弟)と戦う烈火。もちろん著者も違いますし出版社も違います。どういった理由でもかまいません。主人公が一人ずつ消えてしまったとして、なんのコネもアイテムもなく、ポンと違う世界観のストーリーへと行けるものでしょうか。答えはもちろんノーですよね? 闘技場のような場所で戦うという設定は似ていると思いますが、幽○白書の著者は烈火を描けません。描けたとしても外見だけで心理状態までは事実上不可能なのです。著者が主人公を消してしまった場合、そのキャラたちは存在しなくなります。無です。グレン、あなたが私を見る事によって、あなたの中で私は存在します。その逆もまた然り。運営という名の著者の前から、グレンは自ら存在を消そうとしているのですよ」
「つ、つまり……俺がここで強制ログアウトしてしまうと、俺には無が待っている……そういう事なのか」
「おそらく。……別次元に行く可能性もありますが。リアルの世界でトランス状態でプレイしていたのなら、身体はあっても意思は無い状態でしょう。ただ一つ言える事は、『強制ログアウトだけはダメだよ』って事です」
なにも言えなくなってしまった。強制ログアウトしようとしていた思考が離れていく。
どれだけの間、お互いその場で立ち尽くしていただろう。
二人してしょんぼりと酒場に戻ると、彼らの気持ちとは裏腹にマリエッタが他のパーティの連中と酒盛りを楽しんでいる様子だった。ケタケタと甲高い笑い声が響いてくる。
「お前、どうしてそんなに元気なんだよ? 状況分かってんのか?」
「ひっく。なぁーによ、グレンんん。アンタも、少しは私を見習って楽観的になってよねぇ? 沈んだりジタバタしたところで、状況はなぁぁぁんも変わんないんだからさぁ」
落ち込んだグレンの背中に飛び乗って、酒臭い息を耳に当ててくる。
(む、胸の感触が……)
なぜか泣きそうになっているグレン。
(……ない。やっぱりペッタンコだコイツ)
憐みを込めているのだろうか。
「残念」
「な、なにが残念なの? ねぇ、なんでそんなに寂しい目をしてるの?」
「大丈夫だ。いつかリアルでアイスおごってやるから」
「え? どうしてそんなに優しいの? ねぇ、ねぇってば!」
はぁ、と一呼吸後、グレンはそのまんま椅子に座って話し始める。特に重くはないらしい。
「さて、これからどうするか決めるぞ。ぶっちゃけた話、俺は元の世界に帰りたい。そのためには魔王を倒せばいいのか? ほら、ラノベとかの設定でよくあるだろ?」




