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「ねーねーグレン、後でちょっと教えてくれない? 戦闘の事で聞きたいんだけど、硬直差とか判定とか、そういうのが分かんなくてさ」


「だから、そういうのはゲームオタクに聞けってんだよ。なんで俺なんだ?」


「ええー! ケチ! 私とグレンの仲でしょ? いいじゃん、減るもんじゃなし。んじゃ、放課後駅前のカフェでね」


「お、おい……!」



 勝手に話が進んでしまった。あの女はどうもよく分からん。あれで教師だというのだから驚きだ。頭がいいのか悪いのか。


 そして一瞬にして放課後。



「あ、あそこですよ、駅前のカフェ」



 なぜかなっちゅが一緒にくっついてきてる。カランカランと涼しい鈴の音を鳴らして店内に入ると、聞き覚えのある声が怒声として響いてきた。



「だぁかぁらぁ! 私はこう見えても教師だっての! 教師が嘘つくはずないでしょ? いいじゃん、どうしてお酒飲めないの?」


(あぁ、あいつはもう……どうしてこう揉め事ばっかり。来て正解だった)



 到着して早々、声を荒げ店員に食ってかかっている。



「で、ですので、お客様、身分証明書のご提示をお願いします。若く見えてしまいまして」


「さっきから言ってんじゃないの! 二十九よ、二十九!」


「運転免許証がなければ、保険証でもかまいません」


「はン。保険証? そんなの持ってるワケなあだっ!?」



 今時、保険証を持っていない大人がいるのだろうか。とりあえず静かにさせるため、グレンはうるさい奴の後頭部をばしぃと叩く。



「黙れ」



 そう一言呟いて。



「聞いてよグレン! この人、全然信じてくれないんだよ? 私が二十九って事に」


「見せればいいじゃねぇか、保険証くらい提示して当たり前だろ?」


「え? あ、いや、さすがにそれはちょっと、ね……」



 モゴモゴと言いにくそうに、バツが悪そうに視線を逸らしている。もうじれったくなって、グレンは彼女の鞄からサイフを取り出し、身分証明書らしきものを提示した。



「あっ、あっ、グレン、待って!」



 そんな言葉を聞き流しながら。


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