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「な、なんですか?」
赤面させながら視線を逸らされる。この現象にコイツは気付いているのだろうか。それとも自分だけが異常で世界は正常に回っているのだろうか。グレンは、冷静そうに見えて内心相当テンパっていた。
「えぇと、まず何から聞こうか」
なぜ十神魔将があの時二人(なっちゅを含めると三人)だったのか。魔王は一体誰なのか。その魔王は何のために戦ってるのか。なぜ魔王がララバスタの村の再封印を完成させたのか。そもそもゲームって、指先でコントローラーを扱いキャラクターを操作する物ではなかったのか。本当に謎だらけだ。
「む。私のお弁当なら分けませんよ?」
「どこから弁当の話が出てきた」
ほぼ疑問に思っている事を全て、彼女にさらけ出してみる。本当に十神魔将でいたくないなら、全部教えてくれるはずだ。
「今のところ、魔王様が一体誰なのかは分かっていません。ただ一言、魔王様が戦う理由としては、遠い昔の復讐のようです。そのために、ものぐさな魔王様は私をララバスタへと向かわせたのでしょう。あそこに、ものすごい秘密があるようです。なぜ三百体のCPU……ラバズを私に倒させたのかは分かりません。ただ魔王様自身がメンドクサかっただけなのかもしれませんが。ゲームのコントロール性については……私じゃなんとも」
特に口調が重々しくなるわけでもなかった。どうやら、本当に見捨てたらしい。それどころか、ペラペラと簡潔に答えてくれた。
「あっ、あと、こっちに来た十神魔将がどうして二人だったのか……ですね? それはおそらく――」
* * * * * *
「……ついに来たな、この時が。魔王の首、我らがいただく」
魔王城。あらかたザコ共を片づけ、堅牢なる部屋の門前に七人の男女がいた。
「やっぱりアタシは、なっちゅがいないと寂しいな……」
「言わないでくれよ。なっちゅは……僕たちがいなくても、もう一人で歩いて行ける」
「そうで御座るな。騙されているなっちゅ殿を魔王離れさせるためには、もうこの方法しか無かろう」
「この戦い、勝っても負けても、わたくしたち十神魔将とはお別れですわね。『かわいい子には旅させろ』とはよく言ったものですわ」
「ま、ボクは知ってたよ。いつか、ボクたちの前から居なくなっちゃうんじゃないか、って。そして、もう二度と帰ってこないんじゃないか、……って」




