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 そして次に目を開けた時。そこはグレンが最初に訪れた都だった。始まりの都とも呼ばれている、王都グレイスだ。


(な、なんだ? 俺、本当にレベル1に戻されちまったのか……?)


 全然実感が湧かないようだが、本当らしい。今まで装備出来ていた防具がやたらと重く感じ、装備出来ない。


(なんなんだよ、あいつ。松下とか言ったか? くそっ……! 次見つけたら、ただじゃおかねぇ!)


 今は怒りが半減されている。というのも、疑問に思っている事があったからだ。


(……俺、剣をどこで落したんだ?)


 ずーんと落ち込みながら彼は死んだ魚の目をして手元を確認してみる。ずっとずっと欲しくてたまらなかった武器。そして、手に入れてから完成させるまで小遣い程度のリアルマネーを使い、強化をした。それなのに、いつの間にか消えていた。


 これはバグなのだろうか、他にも同様の被害に遭っている者はいないのだろうか、様々な事が頭を過る。と、そんな時。ふとマリエッタの匂いがした。



「あンれぇ~? グレンさん、もう二度とログインしないんじゃなかったの?」



 すぐ隣を見ると、ニヤニヤと嫌らしい笑いを浮かべているマリエッタがいるではないか。どうやら、上級者の街から飛んできたらしい。



「……」



 無言でマリエッタを見つめるグレン。深く深くため息を吐き、謝る気も失せたようだ。落ち込んでいるかと思いきや、特にそうではなかったらしい。



「あらあら、キミのご自慢の武器はどこに行ったのかなぁ? ふふふ」


「……いつの間にか無くなっていた」


「でしょうね! ぶぷー!」



 してやったり! と言わんばかりに、笑いをこらえきれずに腹を押さえてケラケラ笑っている。



「なんだよ? なにか知ってそうだなお前」


「売ったよ? 三十万円くらいで」



 売ったよ? 三十万円くらいで。売ったよ? 三十万…… 売っ――



「はぁぁぁぁぁ!? ちょ、おま……ふざっけんな! どうやって、お前は俺の装備抜き取ったんだよ!」


「トレード機能に決まってんじゃん。ブラックハット・ハッカーの私をナメないでよね?」



 犯罪です。決して真似してはいけません。



「じゃ、じゃあ何か? お前は、俺がログインしてない間に勝手に俺のキャラを操作し、お前に武器を譲渡した……そういう事か?」


「うん、そゆこと」


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