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「「「えっ?」」」



 異口同音に、周囲のパーティが声を漏らした。



「いいや、コイツだけだ! コイツだけは、この十番隊隊長ゆっきーにょが討ち取らせてもらうぜ!」


「かかってこい、クソ野郎! 返り討ちに、して……あれ?」



 腰に手を持っていき、わきわき、わきわきと開閉するグレン。



「「「えぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」



 他のパーティが素っ頓狂な声で素に戻っている。無いのだ、剣が。必死に鍛えたレアリティの高いあの武器が、腰から下がっていないのだ。



「ちょ、ちょちょちょ、ちょっと待って! 俺、剣が……」



 ぼこっ!



「剣~? 剣なら、お前の下半身からぶら下がってんだろうがよ! 男なら拳一つで這い上がってこい、バカヤロウ!」



 カッコつけているつもりだろうけど、それじゃドン引きされちゃうよ、ゆっきーにょ。女性プレイヤーが恥ずかしそうに顔を赤くし、俯いている。


 武器を持っていない事で手加減されたのか、ゆっきーにょと同じくスライドダウンだけで済んだようだ。その時、先日のクエストで支給されていたリコーダーが懐から飛び出ていく。



「あっ!」



 甲高い少女の声が響き、声の主はそれを拾いに行っている。



「おら、いつまでも寝てねぇで来いよ! まだまだやれるだろ?」


「なりません。いくら敵とはいえ、武器も持たない相手に全力で戦わないで下さい」


「いいや、コイツは別だ! 今のうちに芽を摘ませてもらうぜ! 下手すりゃ、あのオヒメサマと同格かもしれねぇ!」


「……私の命が聞けないと……そう、仰るのですね?」



 松下と呼ばれた青年がゆっきーにょの前に立ちはだかり、切れ長の目を吊り上げている。



「いや、そうじゃねぇ! ……そうじゃ、ねぇけどよ……」


「……わかりました。それでは、このような罰を彼に与えましょう。このままだと、あなたの怒りが収まりませんからね」



 後ろ手でやる気なさそうに、グレンの方へ手のひらを向けている。



「えい」



 グレンの周りを囲むように、ほんの数秒どす黒いオーラが漂った。一緒に一人の少女が紛れているとも知らずに。



「て、テメェ! 一体なに……を?」


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