第1話 サイショ
読者様へ
この小説は、本当にたまに残酷な描写があります。
ご気を付けてお読みください。
Before dyingCan do it 1話「サイショ」
死ぬ前にそれが出来ます。
私、僕 達に与えられる時間はー・・・・・
1分です。
その間に貴方は何をしますかー・・・・・?
私は蓑和 都羅々。
今 絶体絶命です。
何故かと言うと、鎌を持った女の子が目の前に居るんですもの・・・・・
ありえない!何で?
戸惑いながら、都羅々は自分の頬をつねった。
「痛い・・・・ってことはコレは夢じゃないの!?」
焦る都羅々の心を落ち着かせるため、鎌を持った少女は口を開いた。
「落ち着いて・・・私は音霧 加奈。死神です。」
「死神!?ってことは私は死んじゃったの・・・?」
都羅々は動揺を隠せなかった。だって目の前に死神と名乗る少女が居るのだから・・・・。
「はい。貴方は死にました。事故です。貴方は悪いことをしてません。天国です・・・。」
その言葉を聴いて都羅々は、
「嫌だ!嫌だよッ!私はまだしたい事をしていない!夢だって叶っていない!」
その言葉を言った直後、その場の空気が凍りついた。
すると、加奈と名乗る少女は口を開いた。
「それなら、死ぬ前に1つだけやりたいことをやって下さい。
しかし、貴方に与えられる時間は1分です。
1分の間本当にやりたいことをやって下さい。
どうしますか・・・・・・・・・?」
少女はその話が終わると「ごめんなさい」と言う様に下を見た。
「わかった・・・。一分だけ、1分だけでいい。私に時間を頂戴!」
都羅々は、叫んだ。力いっぱい。その意志の強さがわかったのだろうか解らないが、
少女はコクりと頷き、顔を上げた。
「では、蓑和 都羅々。いってらっしゃい。」
少女は都羅々を見送った。
「・・・・・・・んっ?って本当に生き返ってるし!!」
都羅々は自分の家のベットの上に居た。
「あっ!早くしなくちゃ!」
そう、今日は2月14日、バレンタインデーなのだ。
「1分しかないんだッ!!!急げ〜っ!」
ボールペンで手紙を書き、都羅々は人が少ない道を走っていったのだった。
「あ、蓑和さん。どうしたの?用事って・・・・」
「あのっ!このチョコ貰ってください!宜しく御願いします!」
都羅々は、精一杯思いを伝えてその場から走って去った。
都羅々空貰ったチョコの手紙を受け取った青年が見た。
「ん・・・・・?
先輩へ
私は、もうこの世には居ません。
貴方に会いたくて1分だけ時間をもらって来たのです。
最後に先輩に言いたかった。
好きです。さようなら。」
「蓑和さん・・・・・・・」
青年は力強くチョコを抱きしめた。
「1分でやりたいことは出来ましたか・・・・?」
少女に聞かれた。
「えぇ。すごく良かった!ありがとう。死神さん。」
「・・・・・・いいえ。ではいきましょう。天国へ・・・・」
2人は扉の奥へと歩いていった。
〜あとがき〜
Before dyingCan do it 1話「サイショ」
Before dyingCan do itとは、日本語で「「死ぬ前にそれをできます。」」と言う意味です。
今回は天国ですが地獄の人もいますよ(笑)
>>2話「死後の誕生日プレゼント」
作者の言葉
このお話は、ずっと昔からためていたものではなく、
コレを書き始めてからどんどん思いついた話です。
自分では力作なので達成感があります。
これからも連載頑張っていきます。