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浦島太郎が詠うは今様か

先般に投稿した「深夜のドライブ」を大幅改稿し、この回の前に収納いたしました。

再録です。なんだか語句の響きが豊かすぎてうっとりしますね。

もう一度言わせてください。

再録です。しかも大幅改稿。

くそ、なんてイイ響きだ。癖になるわ。


改稿って、おっそろしく時間がかかりますよねぇ。書き直しなら時間喰いで済むわけですが、実は私、二次創作を一次に焼き直してアップしたいという野望を抱いたことがありました。

15秒で挫折しましたけど。

あれはガチで無理だった。こんなにところで自覚しましたが、私の書く文ってキャラクターありきで書いてるんですね。語尾だとか行動はともかく、書き直してみると、主人公が違ってくれば、地の分で選ぶ単語まで違ってくるんです。

あぁこりゃ無理だわと即座に諦めました。


知らないことを知るということは、きっと幾つになっても楽しい。


さて今年になって初のエッセイもどき、タイトルは浦島です。ええと、私的には今浦島と呼びたいところ。今様は当世流行りの流行歌といった感覚ですね。

内容としましては、ずっと気になっていた地雷については書きましたので、引き続き、イマドキのweb小説についての雑感。

え、いつもと文体が違う? 

ふふ、そこらあたりは気まぐれ仕様です。ついてこられる奴だけが、ついてこい。




私はね、浦島太郎みたいなものなんです。童話の漁師さん。亀に連れられて竜宮城に行き、帰ってきたならば何十年も時間が経っていた。

自称していいのなら今浦島。そう感じてるのが、特にインターネット界隈ですね。


私は子育期の10年くらいをインターネット及び同人文化から離れてるんです。一時撤退する前は、ミクシィが流行り始める前ぐらいでしたでしょうか。ブログという単語が世間でも理解され始めてきたころ、という記憶があります。

これがどういう時期か。


ネットという一大社会において大激動した10年間。


ですよ。ここがね、綺麗にすっぽりと抜け落ちてるの。

子供たちからようやく隙をもぎ取れるようになったころ、とりあえずは私の世界に、本というか活字の世界に戻りました。そりゃ子育て前とは大幅に減りましたが、自分の本が読めるんですよ。

すごく浮かれてました。

生活習慣やホルモンバランスの関係らしく、難しい本が軒並み読めなくなっていたことには閉口しましたが、その代わりに読める本と読めない本がはっきりしてきたわけです。

文体、展開での好みが初めて明確になりました。

並行してネットの世界にも復帰したのですが、こちらには大驚愕しました。端的に言うと、彼らの正気を疑いました。


なんなの自己責任って。


正味でこの単語につきました。私は、ですから、古い人間なわけです。インターネットというモノの概念を知らないと接続させてもらえなかった世代なんです。2chで遊ぶなら串を通せという合言葉を聞いてた世代によ?


閲覧は自己責任をもってお願いしますって、意味わかんない。


ウィルスだろうがガセに引っかかろうが罵倒されようが自業自得、が、ネット世界の大常識だと疑ってなかった私にとって、個々の小説サイトに軒並み書かれていたその一文はことさら目を引きました。検索避け? 作品のキーワードは事前注意必須? なんだそのスラッシュ。誤字じゃなくてその言い回しなの?


ざっくり二次界隈を探っていくと、現在の作品発表の場は主流としてサーチエンジンに登録してある個人サイトか、大規模投稿サイト『ピクシブ』というところである、と、わかってきました。絵がメインだと誤解してましたが小説もあるようです。


ですが、とにかく読みづらい。


もちろん、私が地に潜る前からすれば雲泥の差で読みやすいです。背景や文字色に配慮してくれてますし、文字の大きさを変えるブラウザにも対応してます。私はとにかく量を読むタイプの人間なのでコレは真面目に助かりました。

個人サイトを巡るには手間がかかります。さらに勝手な言い分ですがピクシブに置いてある文章たちとはどうにも感性があわず、でもまぁしょうがない、片っ端から個人サイトを検索してるうちに気がついてきました。

私の見ている画面がどうも、画面の向こうの個人設定で変わってくるのです。いや、フレームとか配色のことじゃなく、なんだか妙に幅の狭いサイトがある。文字数が少ない。どこに『次ページ』リンクがあるのか見づらい。

装飾過多であり、どれだけ内容が面白くてもこれは残念、読めないよぉ。

……何か月かたったころ、「それは携帯小説サイトである」という結論を手に入れました。


はぁ。はっはぁぁ。


おばさんビックリです。10年ひと昔と言いますが、どうにも私が潜っていた10年間は基礎根底を大改革していた期間でしたね。惜しい時期を無くしたもんです。マジで。ガチで。

ちなみに夢小説というものを理解したのは一昨年でした。ヘイト小説というものは去年です。

知らない単語がザクザク出て来る。待ってまって待て。


とにかく読ませろ。


その一心で、『小説家になろう』に辿りつきました。何がいいってあなた、画面上の書式を統一してくれてることが何よりも評価できます。スマホも携帯も持ってない私が種を問わず内容だけでガンガンに作品を読める。なんじゃこりゃ、へぇ、の連続でした。

面白いんじゃない。すごく、興味深い。

何故か。


専門用語とタグ文化、加えて、かなり独特の書き方が当たり前のように根付いているから。


Web小説と紙媒体。

いろんな人が書かれてますが私も例に漏れず、非常に戸惑いました。

横書き縦書きはね、そんなに違和感がないのです。紙媒体で横書きされると、『お?おぅ』になりますけど、画面上ですから。むしろPC画面上で縦書きされる方が追い難い。

それよりも無駄な改行に意味がわからず、もしかして何かしらの文章がそこに隠されてるのかと幾度となく反転させてみる始末です。

あぁ箇条書きで行きましょう。


・特段意味のない改行

・視点変更をわざわざ告げてくるテンポ切り行為

・登場人物紹介の内容が異常に詳しい上、モノによってはネタバレしてくる

・欝展開(という言葉も復帰して知りました)、アンハッピーエンドが『存在する』。

・いったい何の用語なのか、どこにも説明なく割って入ってくる独特の単語たち。ヘイト、タゲ、チート、MMRG、ステータス、ギルド、SUN値。キリがないですね。

・「タグを良く見ろ」という注意点、及び流血注意の注意点が『作者の善意』で行われること。「閲覧は自己責任」も、ここに入ります。


ざっと思い出せるくらいでこのくらい。作品自体の出来だとか未完を放置だとかは紙媒体にもままありますから、それは気になりませんでした。


が。


特にこの専門用語という奴には、手間がかかりましたね。




流れを読まず、まとめやすいところから順番に言及しましょう。



こういう風に改行を入れることは、紙媒体で育った私には馴染むのに時間がかかりました。

けれどそれは、投稿小説の数を読めば理解して来ます。紙媒体のつもりで改行を入れなければ、作品は読みにくくなる。オーケー。

次に、視点変更をわざわざ地の文で告げてくる。コレは最初、まったく意図が読めませんでした。だってそうでしょう、一人称だろうが三人称だろうが、主格を誰に据えて話してるかなんて読めばわかることですよ。なんでわざわざ、地の文とかタイトルに入れてくるの? モノによってはまだ出てきてない人物の視点だからって『?』表記までしてくるんですよ?

何がしたいの、これ。

わりと強めに疑問に思ってましたが、ええ、これも文化か、と。腑に落とそうとしていた矢先に、どなたかの感想欄で作者さまの方に要求してらっしゃるのを見て納得しました。

同じく、ネタバレ上等な登場人物紹介もですね。


へぇすげぇな、そっちは読者なのに『作者に』要求するんだ、と。


端的に言えばそうなります。

指摘ではなく、要求なんです。

感想欄というモノに気がついたのは投稿作を読み始めて1年以上経過してからですが、度肝を抜かれました。

読んで理解できないのは自分なのに要求するのは作者にかい、と。

凄まじいメンタルだねこりゃ、と思いました。展開について指摘するのも同様ですね。


作品は作者さんのモノです。


完結してから、言った方が作者さんのためかな~って確信できるレベルであれば言いますけど、私だったらまずしないですよ。だって私が書いたんじゃないもの。

文責と評価は、彼と彼女のモノなんです。だったら、自分で直してこない限り、一読者にどうこう言う筋合いは無い。


それでいうなら、私が驚いた欝展開やアンハッピーエンドもね、紙媒体ではないという前提だからこその文化だと思うようになりました。売り上げを取らないといけない業種ではちょっとお目に書かれませんが、ニッチなところでの需要はありますよね、確かに。

私は現実世界にうんざりしてるからこそ小説の世界に行きたい人なので、その手の、なんというか生々しい話は非常に苦手です。読みたくない。

作者さんが、「そっち系入れるよ」と注意書きさえ入れてくれれば避けられる話です。

そこは好みの問題かな、と。思えるようになりました。進化です。




さぁ、残りの2点は難問です。

特殊用語について。


私にとってのゲームってドラクエくらいですかね。いや正直に言うとブラウザゲームのうち、資源回しとマッチ3が好きです。えへへ、好きです。好き。

ですがこの手のゲームにも上で書いたような単語、特にオンラインRPGで使われるような単語って出てきません。

小説家になろう内で一定数お見かけする、オンラインゲームを使った小説には特に断りなく略語が出てきます。追加説明は一切ありません。

さらに性質が悪いのは、その手の小説じゃなくてもわりと頻繁に出て来るんです。

ステータス表示やゲーム内で使われる略字。

使われてる英文字は短縮してます。濃縮されてるんだ。

それって、ものすごく特殊用語。

専門語句の一連です。


ステータスが数字で出て来るような小説、紙媒体で読んだことなかった。


クトゥルフ神話なんて、なんというか一般の方には話をしても通じないって思ってました。

なのにさらっとぶっこんでくる。這いよるモノとか混沌としたモノとかですね。

というか、そもそも、私が読んでたのは小説ですから。

SUN値にいたっては、私、クトゥルフ題材のお話はいくつも読んでないですけどSUN値なんて語句、見たことないですよ? どこから派生したの?

疑問は主人に聞き、そしてwikiで教えてもらいました。

ぶっちゃけましょう。


web小説とはいえ、特殊語句への心配りが足りなさすぎるよ。



面白い作品というのは、webだろうが紙媒体だろうが、趣を変えて頑としてあります。小説家になろうに読み手として登録する前に何年か、間を取りました。私はチキンですから。知らない場所に名前を載せる怖さは途轍もないです。

その間に溜まっていった読書遍歴のうち、あとで作者さんが判明して『ああ、アンタだったか』ってなったのもいくつかあります。

それを紹介する場所でもないので書きませんけど、そういうのに嵌まっていった切っ掛けが、専門用語にも意味がある、あの手の小説にも中身がある、とわかってからです。


危うく、小説家になろう自体を切り捨てるところでした。


内政チートという単語の意味がわからない私からすれば(そもそもチートの意味がわかりませんでした)、あらかたのタグで弾いてしまうと読める小説が無くなってしまいます。

ファンタジーの定義も違う。それはそう、そのとおりです。恋愛モノだって油断すると独自の定義が頻出します。

龍が溺愛傾向にあるとか番設定があるとか、いったいどこからが『常識』なのか。

少なくとも、読んだことが、聞いたことがない設定を複数人が何気なく書いてる状況って怖いですよ。

どこの誰が、新選組を肯定的に捉えてるなんて思うんだ。好意とか、そんなん無茶やろ。あいつらのしてきたこと見てみ?という奴ですよ。

なんだ、この認識のずれ。


私、web小説用の現代人の基礎知識が必要かって真面目に思ったもん。


テンポが大事。それはわかります。私だってSMの心得なんてものをイチから書いてたら展開って物が死んじゃうことくらい想像がつく。みんなが知ってるモンスターを丁寧に描写してたら文字数だけが膨大になってストーリーが息をしなくなる。それも、なんとなく想像がつく。

だけど、じゃあ、専門用語初心者向けというジャンルを作ってくれてもいいんじゃないですかね。タグでもいい。

少なくとも、私は、wiki片手に小説読むのはツライと思う。


頼むから、後書き欄というか後記のところに専門用語説明が欲しいもんです。あぁでも、どれが一般常識かっていう判断は難しい。いやほんと、マジで難しい。

うぅぅ。うーうーうー。



ぶーぶー言ってる最高潮で流れに乗ってください。

ここで最大の難所、『タグ』にまいります。



タグね。……タグですよ。二回書くあいだに溜息が三回でました。そのくらいに、私にとっては異文化です。

というか、この項目、『作者さまによる厚意』に関わることについてはダダ漏らしで書きます。それくらいには困ってる。


タグは作品にとって非常に重要なファクターであるのに、個人の主観の差が大き過ぎるよ。


一言で終わってしまいました。やべぇスッキリした。勝手に。

いや、自分も書くようになってわかりました。一部のタグは相手からのクレーム避けなんですね。まぁ私の場合は良かれと思って付けたタグで疑問詞が飛ぶようなので、なんつーかマジでボーダーが欲しいと思います。


あのね、ごめんね、タグがタグの意味を成してないことが多すぎるよ。

んでもって、その一方、実に正確にタグがキーワードになってる作品も多々あるんじゃん?


残虐描写は保険で、とか書かれるとね、『?』って思うわけですよ。

いま、私は何作か読んだことのある方ならタグを信用して読みますし、知らない方やランキングから見つけた作品はタグを重要視しない方向で読むことにしてます。

あらすじも同様です。

ええと、でも、気に掛けるタグもあります。浮気、復讐、復縁とか。BLであるならばそちらの専門用語には細心の注意を払う。


要するに、あまり見かけないタイプの話を投稿する際にはぜひ、できるだけの注意書きを入れてくださいということです。


どちらにしろ、「ネタバレが駄目」だとか「必須項目だタグに入れとけ」だとか、両側からの提言は必ず飛んでくるわけですから。たぶんね。人気作の場合はね(笑)。

だったら、作者が展開を把握してる限り先んじて手を打っていてほしい。残虐描写は保険で、と一緒なんです。このジレンマたるや凄まじいものですが、そこは読者である私が折り合わなくちゃいけないところですよね。

知ってる。

後記欄に専門用語解説集入れてよっていう、このジレンマと一緒ですね。はい。

ぐだぐだになりましたが、タグについてはまだ困惑中です。大声でいうぜ。


これだけ主観の大きいものに対して、単語を判断材料にさせるんじゃねぇ。


あっはぁ、結論ですら二律背反。

痛し痒しで付き合うべきもの、かぁ。






番外で、要求する側の、つまり読者さまに対しての最近の疑問です。



嫌なら見るな、って、作者が言えることじゃないんです。


個人サイトじゃないところに発表してますからね。暴言すらも私のモノ。それはいい。それでいい。

でも、だったらボーダーを引くのは、ジャッジするのは、じゃあ誰なの。

そうして、ジャッジした責任は、ねぇ、誰の物なの。


要求するところまではタダなんです。言ってみるのが正解です。いろんな人がいますから。

書いてみることまではタダなんです。投稿するのが正解です。ニッチな人は思いのほか多くいます。


ですが。

なんらかのアクションを他人に要求した時点で、本人には責任が生じます。

人間関係の大前提であるソレを、ちゃんと理解してくれてますか?

例を出すなら、削除要求が叶えられた場合、その作品を楽しんで読んでる大勢の方たちからの恨みを買います。

歪んだ承認欲求ならばそういうのが嬉しいんでしょうか。ふふ。


自分には力があるんだぞ理論はさておいて、要求は、断られるのも当たり前なんです。矛盾や疑問を指摘してるのは一読者としても非常に面白いのですが、作者さんに伝わるような書き方をしてますか? 作者さんがメンタルの弱い方であれば、ただの質問だって攻撃になります。

そういうの、きちんと踏まえて書いてやれよ。とは思います。

なんで他人事かって、私はというと、どうやら出来てないようですから。

なので、誤字脱字の指摘だろうとも言わないようにしました。

へへ。好きだなんて、とても言えない。


「ごめんね」「いいよ」って、子供同士の遣り取りですら成立しないことか当たり前。

『許さなければならない』、読者からの要求を『受け入れなければいけない』ことなんて、プロじゃない人間に欲しがったらダメなやつです。



私は壁打ちが平気なタイプです。別段、誰も読者がいなくても書いてる。書きたいものを書きたいように、放りっぱなしで完結とかしてる。しかも完結してから投稿するタイプなので、いったん連載を始めたら止まりません。

なので感想欄については傍観者の立場から言わせていただきました。



書いててつくづく思いましたけど、所詮は私、今浦島なんですねぇ。

今様を謡ってもそれは今様ではないのです。古いのです。

私が眼を離していた10年は、浦島のごとく何十年もの密度がありました。くっそ何を言っても負け犬の遠吠えになりかねん。

若者(に限りませんが)の傍若無人な独りよがりには、きっと、伝わらない。


今様は、いまの人たちが作り上げるのです。


どうか、それを腹に据え、画面の向こうには人がいるのだという当たり前のことを忘れないでいただきたい。


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