ペットショップ
カランコロン。
ドアについている鈴が店の中に響いた。
夕暮れ時のペットショップに一人の男が入ってきた。
男「やあ、こんにちは」
店長「いらっしゃい。どんなやつをお求めですか?」
男「うん、何か変わった生き物は、いないかな」
店長「変わった生き物・・・こいつはどうですか。最近、タペ星から輸入した足が4つ生えた鳥ですよ」
男「鳥は趣味じゃないんだ、哺乳類が良いな」
店長「それならコロホースト星から輸入した牛はどうですか?」
男「牛は大きすぎるよ。他のやつにしてくれ」
店長「そうですね・・・地球という星で捕まえた河童はいかがです?」
男「ほう、おもしろい。手に水かきがついてるね」
店長「河童は両生類で相撲が得意なんですよ」
男「この頭の皿はなんだ?濡れてるな」
店長「はい、河童は頭のお皿が濡れてないと生きていけないんです」
男「じゃあ、ずっと濡れっぱなしか・・・他にはいないのか?」
店長「他にですか・・・あ、最近、珍しい生き物が入ったんですよ」
男「本当か!よし、そいつを連れてきてくれ」
男の返事を聞いた店員は、いそいそと店の奥に入っていった。
一分もしないうちに彼は、一匹の動物を連れてきた。
彼の手は鎖を持っていて、その先は動物の首にかかっている。
店長「どうです。私達と違って腕と足が2本、指が5本ずつついているんですよ」
男「おお。おもしろい体をしているな。何と言う生き物なんだ?」
店長「こいつは、地球という星で捕まえた人間という生き物ですよ」
男「人間か・・・気に入った!よし、こいつを買おうじゃないか。いくらだ?」
店長「はい。金貨一枚です」
それを聞いた男は財布の中から金貨を一枚取り出した。
2本しかない、その指で・・・。
人間も動物だから・・・人間を超える奴が現れたら・・・。