第26話
「初めまして、かな? 柊隼人君。
生徒会執行部副会長の【霧島 悠斗】です」
いきなり生徒会室に現れた、銀髪の男が言った。
「霧島……?」
思わず霧島という苗字が気になって呟く。
こいつ、修史の知り合いか……?それとも偶然の産物か。
「ええ、霧島悠斗です。
柊君のクラスにもいますよね?霧島ってつく人が」
「ああ」
「弟……修史は元気でやってますか?」
弟!? こいつら髪の色とか、色々と違うのに兄弟なのかよ。
口に出して言おうかと思った。
だけど言わなかった。
何となく理由はわかる。
修史のことを俺に聞いたとき、
一瞬……ほんの一瞬だけだったが、表情が堅くなったからだ。
堅くなったっていうか、苦悩の末に出した結論……みたいな感じだった。
「ああ、元気にやってるぜ」
「そう。なら良かった」
「そんなに心配してるなら、話しにいけばいいのに」
「……俺はあいつに、
憎まれてるだろうから。無理なんだよ」
ーーー憎まれてる。
何故、憎まれてるのか聞きたかったのだけど、やめておこう。
こいつらの過去は重すぎる。
「ま、元気に過ごしてるならそれでいい」
「そっか……」
「で、会長。
柊君がここに来た理由のほうは完了してるんですか?」
「ええ、終わらしてあるわよ」
いつからいたのかわからないが、副会長の横からひょこっと顔を出してきた。
手にはさっきまではなかった印のついているチーム結成許可書を持っていた。
「柊」
それを強引に会長から奪い取り、俺の名前を呼ぶ。
「弟を頼むな」
用紙を目の前に持ってきながら、副会長は真剣な表情で言う。
「そんなの今更、言われなくてもわかってるつーの」
「………ありがとう」
小さく、ホントに小さくだったが副会長はありがとう、と言った。
「失礼します」
それを聞いてない振りをし、俺は生徒会室から出ていく。
「隼人っ!!」
教室に入った途端、修史が駆け寄ってきた。
「おう、どうした? そんなに急いで」
「……大丈夫でしたか?」
「いや、だから何が……?」
なんか会話が繋がっていないような気がした。
それに修史が言ってる大丈夫、の意味がわからないし。
「“悠斗”のことですよ」
「ーーああ、副会長ね。
別に何も被害は受けてないけど」
実の兄を呼び捨てか。
そして副会長のあの様子……、こりゃあ昔に何かあったな。
メンドクサイから、こんな話に首突っ込まねぇけど。
「ならよかったです」
「そっか。で、許可は得られたし、さっそく依頼を受けにいくか?」
ちなみに生徒会執行部の判を貰った紙は、既に先生に提出済みだ。
なのでもう、依頼を受けに行くことが出来るようになった。
「……え、でも、それって学年全体で行く日は決まってるんじゃ」
「先生にこれから行っていいぞ。って許可はもらってるよ」
ま、行けなかったとしても学年1位から5位までのチームだと、通常の授業中でも行っていいらしいけどね。
「それなら行きましょう」
「はいはい……」
まぁ、とにかくこれからも頑張っていかないとな、って結論だな。
はい、誠に勝手かつ中途半端な終わり方になりましたが
Valcheはこれで終わりということにさせていただきます。
でも、ヴァルチェは終わらないというねww
名前を新しく、内容も少し変わって
マジックディフェクターとしてやっていきます。
よかったらそちらを読んでくださいな。
(マジックディフェクターについてはマイページにて)
以上、加那 翔からの報告です。