第22話 Only one decision
今回はかなり短いです。
形的にはⅠ章の終わりって感じです。
そして主人公の秘密というか、
あることがわかる話となっております。
では、どうぞ
「……うぅ、ううん」
チュンチュンという小鳥のさえずりにより俺は起こされる。
起こされる、そういうと語弊があるかもしれないな。
いつも寝起きは良い方だ。なので小鳥が鳴かなくても俺は起きていたはずだ。
起きなかった場合は、疲れが溜まりすぎてシンドイときとかだな。
「先週は疲れたな……。人を何人も殺さないといけなくなるなんてな」
まあ、最後のあいつは人ではないと思うけど。と、苦笑気味に言ってみる。
だが、気分は一向に良くならなかった。
……当然だ。
仮に最後のやつが魔物だったとしても、
人に似たやつを俺が殺してしまったんだ。
それに転入初日のあいつらは、完全なまでに人だった。なのに俺が殺してしまった。
ーー彩葉を護るため、学院を護るため。
そんな言葉で心一杯にし、何も考えないようにしていた。
だけど、事件が一段落した今ーー
今までの俺が行なってきた行為、全てが悪に思えてきた。
(……だけど)
目の前にある鏡を見る。
そこに映った俺の顔は酷くーーまるで悪人のような表情だった。
「…………」
無言でぶんぶんっと首を振り、冷水で顔を洗う。
(学院やあいつらを護るためなら、俺は……)
ーー喜んで偽善者にでもなってやるよ。
たとえ誰かに『悪魔』、『殺人鬼』と罵られても、な。