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Valche《ヴァルチェ》  作者: 神城 奏翔
Ⅰ章 学年混合チーム対抗戦編
21/27

第20話 After an incident


やっぱり3人称視点、いらないかな?


書くのが超、疲れるし(||´Д`)o





「……う、うーん」

俺が目を覚ましてすぐに視界に入ったのは、

一回も見たことのない真っ白な気色だった。

ーーというか、ここ確実に保健室だな。


「……っぅ!!」

その場に立ち上がろうとベッドから降りた瞬間、

何ともいえないような激痛が俺を襲った。

そのため碌に立ち上がることも出来ず、俺は再びベッドに倒れ込む。

ああ、クソっ!!

この調子じゃ、会長と戦って俺が狙われてる理由を

聞き出すことが出来ねぇじゃねぇか。





「……それに悠里の様子も聞き出さねぇといけないんだ。

こんなところで倒れてるんじゃねぇよ、俺」

半場、無理矢理に体を動かす。

体のあちこちが悲鳴をあげるが、今の俺にはどうでもいい。

それよりも悠里の安否の方が気になったからだ。

ベッドから降り、足場に置いてあったスリッパを履きベッドスペースから出ていく。



「柊君!? ダメよ。ちゃんと寝てないと!!」

保険の先生なのかはわからないけど、

女の先生がふらふらしながら歩く俺を止めに来た。

「……だ、だいじょうぶです。それよりも悠里はーーーー」

保険の先生ならどうなったか知っているだろう、そう思って聞く。

だが、先生は呆れたかのようにため息をつく。



「……隣の第2保健室よ。ったく、あなたたち二人はバカなの?

二人とも大怪我をしてるのに、相手のことばかり気にして」

「あはははは、すみません」

苦笑い気味に言う。

だけど、先生のこの言葉でわかったことがある。

二人とも相手の事ばかり気にする。ということは、悠里が生きてる!!


そうわかると体がさっきより若干、軽くなった気がした。

(あーあ、そっか。さっきまでは悠里が死んでるかも、

そう思ってしまったから体が重かったのか)

と、心の中で思う。

先生に教えられた第2保健室へ向かうため、俺は保健室を出る。










コンコンっ


『はい、どちらさまですか?』

第2保険室のドアをノックする。

すると、中からいつも通りの彩葉の声が聞こえる。

この声が聞こえる。ってことは、やっぱり悠里は……。

「……失礼します」

一応、入室の前なのだから声だけはかけておく。



「隼人君!? ダメじゃない、ベッドで寝ておかないと!!」

「ごめん、でもちょっと確認しておきたいことがあってな」

彩葉の静止を振り切り俺はこの部屋のベッドスペースまで向かう。

中のベッドで寝ていたのは予想通り、悠里だった。

「隼人……、お前、大丈夫なのか?」

だが、予想以上には元気そうだった。

「ああ、大丈夫だ。

ただ単に全身打撲に、腹を刺されただけだし」

「いや、それは既にただ単にってレベルじゃねぇぞ」

笑いながら言い放つ俺に、悠里は苦笑いを浮かべながら言ってくる。





「まぁ、いいさ。お前が無事だったんだからな」

「……隼人」

「ま、早く良くなれよ。

そうじゃねぇと、彩葉が心配するぞ」

彩葉の他に修史やアイリスも心配するだろうけどな。

「……お前はどうなんだ?」

「俺? そうだな……」

心配しないっちゃあ矛盾してるし、さっきの戦いの最中で心配しまくってたしな。

でも、心配してるっていうのもなんか、アレだしな。





「心配してない」

「……………」

そう答えた瞬間、悠里が捨てられた子犬のような瞳になった。

それに耐えられなくなり、隣を見ると修史達からも批難の眼差しで見られた。

「ああ、もう!!わかったよ、正直に言うよ。

心配してました。はい、してましたとも!!」

それらの視線に耐えられなくなって、本音を若干、キレ気味に言う。

そして俺の言葉を聞いた直後、悠里の表情がさっきよりも輝いていた。

……今、冷静に考えて思ったことなんだけど、悠里(こいつ)って女みたいだよな。

何ていうか、行動がっていうか言動?




弟にしては姉思いすぎるし、たまに言動が女みたいになるしな。

でも、今までの行動が女だって確定すると、普通なんだよな。

妹だとすればこの異常な姉思いもありえるし、言動も普通。



ーー確認してみるか。

そう思いつき、行動しようとしたとき。





保健室のドアが勢いよく開き、外から女の子が飛び込んできた。

「おっはよーーーー!! 悠里ちゃーーーーん」

「ちょっと待て!! 俺は悠里じゃ……って、うわっ!!」

女の子の突撃を避けようとしたとき、

地面に転がっていた缶ビールを踏んでしまい足を滑らせる。

そしてそのまま俺はベッドに倒れかかった。




「いってて……、悠里、悪い。大丈夫だったか?」

一生懸命、悠里を気遣って言った言葉なのだが、

悠里からは返事が一切なかった。

「悠里……?」

「はーやーとーくーん?」

そればかりか、いつの間にか隣まで来ていた

彩葉が修羅のようなオーラを纏っていた。



「彩葉サン? なんでそんなに怒ってるのでしょうか?」

「自分の手の先を見なさい!!」

そう怒鳴って指を指した方向は悠里が寝ていた場所で、

俺の手の先があった場所が、悠里の胸のところだった。



むにゅっ


「んっ……//」

ーーあれ、この感触ってやっぱりアレだよな。

ってことは、俺の予想は当たってたんだ。アハハ……。

でも、なんでだろうね。 全然、嬉しくないんだよな。

「……何か言い残すことはある?」

「ああ、やっぱり悠里は女だったんだな。……以上」

以上。

そういった直後、俺は意識を失った。

いや、彩葉のツインバレットによって意識を失わさせられた。

と言った方が妥当かも知れない。

……それと同時に思ったことが二つ、ある。



女は強い(特に彩葉)ということと、

女の扱い(特に彩葉)には注意しよう。という二つだ。











「ーーーで、お前は何日間の間、ここで休むことになるんだ?」

「すみません。自分にもわからないっす」

後日、全身包帯まみれになってベッドに倒れ込む俺の姿があったそうだ。






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