第14話 Backroom person
隼人が質問攻めにあっていた同時刻。
対戦相手だった藤原智也と永瀬千穂の二人は屋上に来ていた。
だが、永瀬の表情はいつも以上に暗かった。
「……ごめん。私が負けちゃったから」
「良いって言ってんだろ。
ってか、元から負けろって言われてたし」
あっけらかんとして言い放つ藤原。
「へっ? なんで?」
その言葉を聞いて、驚く永瀬。
彼女自身、何も聞いていなかったのか、本当に驚いていた。
「……そこにいるんだろ、会長。
そろそろ説明してくんないかな?俺達に負けろって言った理由を」
何もない場所に話しかける藤原。
だが、その刹那ーー空間に歪な穴が開き、中から女の子が出てくる。
「良くわかったわね。私がここにいること……」
そういい放った彼女は、
学院1位兼生徒会長の【御神 雪菜】だった。
「勘だ。……で、俺達に負けろって言った理由は何でなんだ?」
「……政府からの命令よ」
「政府からだと!?」
「ええ、あの政府からの命令」
「ーーあいつら、次は何を企んでやがる」
藤原自身、政府には恨みがあるのか顔に嫌悪感がかなり出ていた。
「……何を狙っているのかは、なんとなくわかるけどね」
「なんだ!? あいつらは何を狙ってやがるんだ?教えてくれ」
狙いがわかると言った会長こと御神に言う藤原。
「あいつらの狙いはーーーーーよ」
御神の予想を聞いた藤原と永瀬の二人の表情が凍りつく。
「……嘘でしょ?」
「千穂、これは本当の話だ……」
信じようとしない永瀬に藤原は言い切る。
「なんで、あの子が狙われないといけないのよ!!
あいつらとの接点なんて……」
今にも泣き崩れそうな永瀬。
「ない。だが、政府の狙いは変わらないんだろ?」
そんな様子の永瀬を抱きしめ、藤原は御神と話す。
「ええ、そうよ」
「そうか……。
なら、俺達が頑張ってあいつを護らねぇとな」
俺達が護ってやるから死ぬんじゃねぇぞ。ーーーー。