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陰陽師のしごと  作者: 遼東
肝試し
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第45話 こいつに片付けさせよう



「勇!!この子は誰なんだ!!!おまえは祝詞様だけでなくこんなかわいい子まで・・・一度表へ出ろ!!!」


「何を言ってるかは知らんがそっちがその気なら・・・・表へ出ずともここで殺す!!!」


何を言っているか分からんのに殺すの!!??という突込みが周囲二名から上がるのはおいておこう。決着など言わずもがな勇に軍配が上がった。


途中経過を見ると、まず勇が掛け声と共に拓也の首を絞める(8割の力で)それに対して拓也は必死に離れようとする。しかし、その抵抗も空しく勇は尚も首を絞めながら拓也の背中に回り、執拗にプレスを掛け、立ち上がっていた拓也を簡単に畳へと押しつぶす。これで、「・・・・死ぬ・・もう死ぬ・・・今死ぬ・・」と呟く拓也の完成である。


「輝明にはちゃんと説明しておくか、こいつは居候の・・・」


もはや泡を吹きそうな程青ざめた拓也を締め付け続けながらあごをしゃくって挨拶を促がす。


「龍原葵です。よろしくです」


「此方こそ短い間だろうけどよろしく」


そのまま二人でお喋りモードへと移行した。


輝明と葵が少し話している間祝詞が話しかけてくる。


「勇・・そろそろ離さないと畳が」


その一言は拓也の心を大きく抉った。


(お・・・俺の・・・し・・・んぱ・・・・・・いは・・・・)


俺の心配はしてくれないのかなどと考える拓也はその短い言葉を頭に浮かべるまでの間に思考を強制終了させられた。


「うっわ、止めときゃ良かったか?」


「だから言ったじゃない。この泡、誰掃除すんのよ」


「俺はやらん」


「私もやらないわよ」


祝詞にはもちろん輝明や葵にもやらせたいとは思わない。


「しょうがない。こいつの吐瀉物だしこいつに片付けさせよう」


手をポンとならせて一言言った。


「・・・あんた意外と鬼ね」


そんな一言は無視する。




拓也が起きるまで20分。意識がはっきりするまで5分。拓也が泡を片付け終わるまで3分。拓也の抗議を受け流すのに2分。

計30分掛かってやっと話せる状態へと移行した。


「輝明にはさっき紹介したが、こいつは居候の龍原葵だ。短い間だがよろしくしてやってくれ」


「おう!任せとけ!!」


拓也が勢い良く返事する。しかし、こいつに何を任せられると言うのか・・。

いや、何も任せられないな。


そう考えたので。


「イヤだ」


「何で!!!?」


「お前には何か任せられる程の信用度が無い」


「そんな・・・・中学から一緒だったのに!!」


そう言って走り去っていく様はとても面白い物だった。


「勇。いや友Aよ。お前なかなかに酷いな」


「何故言い直した?しかし、それ見てニヤニヤ笑うお前も悪よのぅ」


そうして二人で笑い合う。


「それはいいとして、輝明。お前は明日絶対参加だから」


「何に」


「・・・肝試しよ」


嫌がってるはずの祝詞が何故か最初に話す。


「あれ?この雰囲気はもしかして祝詞さんも参加?」


「そ、まあ、3割くらい・・・いや、2割くらい俺のせいなんだけどね」


「祝詞さん。・・・ご愁傷様です・・」


「・・いいのよ。慰めなんて意味無いんだもの」


そのままブラックなオーラを出し始めた祝詞は無視し、そのまま解散とした。



宿題を思い出した祝詞はこの日、いつもならもうとっくに寝ているはずの午前3時まで勉強を行っていたと言う。










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