第二話 ついに完璧なストーカーと化したの?
帰り道。
俺は時々近くのコンビニを利用するのだが今日もその気分だ。
そしてあいつもここを良く利用する。
あいつを見つけるにはここで待つのが一番良い。
だから俺は今日もここを利用している。
せっかく来たのだから何か買っておこうと思うのだが、特に買うべきものはないし、かといって何も買わずに帰るのは忍びない。そのとき、扉が開き店内に『いらっしゃいませ』という声が響く。
扉の方を見ると少し釣り目で白い肌、薄いピンクの唇で腰まで伸ばしたポニーテール。男女構わず誰もが振り返るような端正な顔立ちをした美少女が入ってきた。
この美少女こそあいつこと里山祝詞である。
俺は祝詞と同じ家ですむ・・・つまり家族だ。
祝詞は孤児でおれのいる家に引き取られたのだ。
言い忘れたが俺も孤児で祝詞よりも少し引き取られるのが早かっただけである。
「おう、祝詞。買い物か?」
「それ以外にコンビニの利用方法はないでしょ」
「まあそうだが」
「で、あんたは何?待ち伏せ?ついに完璧なストーカーと化したの?」
「違うから!それについにって何だ!!ついにって!!」
「最近私のことつけてきてるじゃない」
「家同じなんだから同じ道になるのはしょうがないだろ」
「だったら、もっと距離を置きなさい。後ろに誰かいるのがいやなのよ」
「じっちゃんと姉ちゃんから祝詞を守れと言われているから実行しているんだ。文句はじっちゃんたちに言え」
「守ってもらわ無くても私は大丈夫よ。あんたなんかより強いわよ」
「俺より強くても複数人に寄られてお前が怪我したら意味ないだろ逃げるための時間稼ぎ位なら俺にもできるっつうの」
本当なら人との対決なら負けるはずが無いのだがここは伏せておくべきだろう。
「そんなに守りたいのならもう少し近くに来たらいいじゃない。私は後ろから見られるのが嫌いなの。道が同じ奴についてくんななんて言わないわよ。距離を置くか、先に行くか、一緒に来れば」
「それはそれで危険な気がする・・・」
特にファンクラブとかファンクラブとかファンクラブとかに襲われそうで。あ、もち祝詞のね。
「何が危険だってのよ。私が暴れだすとでも思ってるんじゃ無いでしょうね!!」
本人はその存在に気付いていないのがまた難儀だ。
多くの活動記録を残しているとのうわさだが誰も見たことが無いと言う。
忍者の末裔かお前らは!!
「いや、なんでもないよ」
「まあいいわ。さあ行くならとっとと行くわよ」
「何も買わないのか?」
「別に特別欲しいものって訳でもなかったしいいわよ。ところであんたは?」
「俺も同じ」
「じゃあさっさと行きましょう」
家に着くまでの約百メートルの間18回ほど攻撃を仕掛けられた。吹き矢とかで。殺す気か!!
ヒロインがポニテなのは俺の趣味。
二次元ならロリも好き。