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陰陽師のしごと  作者: 遼東
管狐
18/56

第18話 ・・・・あんたは誰だ?

メリークリスマス!!!


薫side


「あ~。やっと終わった」


今俺は山を散歩している。

今日の昼の訓練で今年の修行は終了。


「全く。勇には世話になりっぱなしだな。今日何か御礼でもしよう」


しかし何がいいか。


迷うな。



食べ物がいいか?それとも、金がいいか?



「う~む。どちらも違う気がする」


しかし、他に何かあるだろうか?


「あ!そうだ」


ここで俺は感謝の表現としてはどうかと思うが(他意あり)背中流しなどどうかと考えた。


「俺には見られて恥ずかしいところなんて別にないし」


自分の胸を見つつ言う。


大きさ・・・・無。見事なまでに無。男ともう変わらないんじゃねと言うくらい無。


「もうこの思考は止めよう。考えてて鬱になってくる。やらない方がいい気もするし。やったらやったで恥ずかしいだけの自虐行為にしかならねえな。きっと」


はあ、とため息をつきながらそろそろ帰るかと呟き別荘に向かった。



別荘裏庭


ここには訓練に使われたわら人形が放置してある。


何時見ても気味が悪い。


大体なんでわら人形なんだろうか。


そのまま素通りしようとしたところ。

通り過ぎる直前視界の端のわら人形から黒い影が出てくる。


振り返ると、一つのわら人形からだけでなく全てのわら人形からその影は出てきていた。


その影は次第に一箇所に集まっていく。

そしてそれは形を作る。

細長い異様なものを。


黒い影の状態のときに倒して置けばよかったのだが、こんなことは初めてのため驚き固まってしまっていた。



『あ~あ。やっと出れた。お?人間か?どうしたこんなところで』


「・・・・あんたは誰だ?」


『俺?俺は妖怪。管狐だ』


「妖怪・・管狐だと?」


『ああ。まあ、これ以上は何にもはなさねえぞ。これから死ぬ奴にかけてやる言葉など無いからな』


「は?」


こう話している間にもわら人形からは影が出続ける。

影はまた一点に集まり形を作る。

全て同じ形。影が止まった頃には約16匹にも増えていた。


「何なんだこの増殖力は!?」


影に放出が止まったとき管狐は薫を一人の無力な人間を見る目で、そして、蔑みをこめた冷徹な目で見ながらこう言った。


『では、始めよう。俺を300年間も封印しやがった人間達への復習劇を!!』



この言葉と同時に管狐は狐火(きつねび)をいっせいに口から吐く。

爆発から体を守るための防御式と結界の構築を急ぐ。


「くそっ!間に合え!!」



『ドゴオォォォォォオオオオン』


砂埃が晴れたとき


地面には大きな穴が開いていた。











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