第17話 我としては本望じゃ
7月28日昼
俺と薫の訓練は武術・式の構成・瞑想・それぞれのアドバイス・休養となり、ついに最終日を
迎えた。
「今日はどの訓練をする?もう大体やり終わったけど」
「じゃあ、実践訓練で」
「いいのか?確かにお前成長したけどまだ邪の上級倒せるあたりだぞ?」
「お前は俺を何と戦わせようとしてんの」
「実践って妖怪とじゃないの?」
それを聞いて、薫は怒る。
「ちげぇから!!何であんなのと!!」
「それって風鎌に対して侮辱してない?」
『うむ、我も今疑問に思った。それと妖怪と一口で言っても良い妖怪もおれば悪い妖怪もおる
のだ。一緒くたにしてしまうのは悪い傾向と思う』
風鎌の説得のかいあってか、薫は少し考えた後、どんどん納得する顔になっていく。
「・・・そうなのか・・・そうだな、風鎌。すまなかった」
『これを機に主が妖怪への偏見を改めれば我としては本望じゃ』
「で、話を戻すと、要するに俺と戦いたいって言うことだろ?」
「ああ、そうだ」
「なら早くしようぜ。俺は早くやって寝たい」
そういって俺は薫に結界を張れと促す。
「え?俺結界張れねえよ」
「そこは覚えとけよ!!」
「じゃあ今日はそこから教えて」
「・・たく、しょうがねぇなあ」
そんなこんなで今日も始まる。
まあ、実況はしないけどね。
でも、ハイライトならやるよ。
剣筋の方では、別荘の書物に書いてあった鎌術の知識をふんだんに使い、こっちも次を見極め
るのが若干ではあるものの難しくなった。
式も習ったばかりのものを簡単に使えるようになったようで、自分の身と森を守るのが大変だ
った。つまり、上出来ってとこ、それに、防御式がもう薫のなかで最強で攻撃を当てるのにも
一苦労した。
俺は今日受け側に回ってたのだが、薫の要望で攻撃をするように言われ攻撃式を組み立てたの
だが、薫からの霊力変換効率のアドバイスが役に立ったようでいつもより多く、いつもより早
く組み立てることが出来た。
まあ、結果は俺の勝ちだがね。
「じゃあ、俺はこれで寝るから。何かあったら知らせろよ」
アドバイスを終えた俺はすぐに寝ようとする。
「あ、おい」
「なんだ?」
「6日間ありがとうな。おかげで、いろいろと成長出来た」
「ああ、俺も成長できたんだしお互い様だ」
そういって部屋に戻って寝る。
次に何が起こるかそれを予想しながら。




