表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
陰陽師のしごと  作者: 遼東
管狐
14/56

第14話 今は一時的な奴だからあああぁぁぁぁ!!!!!



7月28日8時30分 薫宅


薫の家の前に着いた。


呼び鈴を押す。


『ピンポ~ン』


『は~い~』


呼び鈴の後すぐに中から声がする。


出てきたのは薫の母親であった。


「あら、貴方は?」


「薫の友達の猪山勇です」


「あら、薫に用があるの?」


「はい」


するとその人は家の中に入っていった。


『薫~。お友達よ』


そして、足音が二つ近づいてきた。


「お~す。じゃあ行くか」


「おう」


「じゃあ行って来ます」


「え、その人がこの前薫が行ってた人なの?」


「うん」


「じゃあ、一週間薫を鍛えてくれるんですね?厳しくお願いします」


「そんな事言わないでよ!」


「お前、親の前では男みたいな言葉止めるんだな」


「うるさい。じゃあ行って来ます」


「行ってらっしゃい」


では、出発。




9時 移動中


俺と薫はそれぞれ荷物を持ちながら屋根の上を走る。


行き先は『愛知県奥三河設楽町段戸山』


そこにじっちゃんの別荘があり、昔はそこでよく訓練をしたものだ。


「ここで一週間も訓練するのか?」


周りにはうっそうとした森が生い茂っている。

まあ嫌がるのも分からんでもない。


「ああ、正確にはこの山の頂上だ。そこなら視界も晴れて別に悪いことも無いと思うが。あ、

あと飯は現地調達か我慢だからな」


「マジでか!?もう7日分の食料バッグに詰めて来ちゃったぜ」


だからそんなに荷物大きかったのか・・。

てかよくそれだけ持ってこれたな。


「捨てろ」


「そんな!!後生な・・」


「そんなんじゃ、将来遠出で仕事するときどうすんだよ」


「で、でも」


「てか、腐るぞそれ」


「冷蔵庫無いの!!?」


「ああ無い」


ぬぁんだってええええぇぇぇ!!!と大きな声が山にこだまする。


「と言うかお前って山とか森に来るのって初めて?」


「うん」


「あ、ちなみに言っておくとここ時々妖怪が出るから気をつけてね」


と、その言葉に薫の足が止まる。


「妖怪ってあの妖怪か?」


「ああ、それ以外に何があるのか知らないが、鎌鼬と同じあの妖怪だ」


「無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理・・・・・・」


「全く。風鎌以外の妖怪にもあったこと無いのかよ。これは経験させとくべきだな」


「経験って何を!!?ホントに恐いから止めて!!」


「そんなんじゃ立派な陰陽師になれないぞ!!」


「なる気はないから!今は一時的な奴だからあああぁぁぁぁ!!!!!」


その叫びに耳をふさぎながらさっさと歩き出すと、流石に薫もついてきた。

妖怪嫌いだからこそ、この山で独りにはなりたくないんだろう。


ギャーギャーわめいてはいたけどね・・・。













薫についてはその内教えますが、今は違和感感じて楽しんでください。


いやー、でも違和感って楽しいですよね。


と、まあこんな感じで。


ところで、何故薫が妖怪駄目なのかということだけお教えしましょう。


ネタバレ注意



薫は設定上元魔術師であります。

魔術師ってのは魔物を退治するものであり、魔物は一般人でも見える『実物』『生物』として存在しています。しかし、妖怪は、動物妖怪などであれば、寿命を迎えても尚生き続け、魂だけの姿となっても生き続けたモノのなれはてでありまして、『実物』つまり『身体』がないものであります。多くの妖怪には身体がなく、魂のみで生きる妖しく怪しい存在なのであります。このように、退治するものの違いにより、魔術師と陰陽師の性質がわかれ、陰陽師は魂を、魔術師は身体を攻撃するために作られたもの、といえば分かるでしょうか。身体への攻撃は物理攻撃として、習得が簡単なので、陰陽師は実質両方に対応できますが、魂への攻撃となると長年教育を受けないと身につけることは出来ないのです。よって、魂のみの姿である、妖怪を魔術師が退治することは出来ない、そういった法則があるから、魔術師、元魔術師は妖怪が嫌いなのです・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ